同種血小板抗体の研究
血小板抗体検出の方法はこれ迄数多く報告されているが, いずれも一長一短があり, 一定の見解を得るに至っていないのが現状である. 最近, SugiuraらはFITC標識抗ヒトIgGを用いた血小板抗体測定法を報告した1). この方法は感度, 再現性に優れている他, 簡易で短時間で測定が行えるとの特徴を有し, 特発性血小板減少性紫斑病患者血小板上, 血清中に存在する血小板抗体の測定に有用であった. 本研究は, この方法により, 頻回輸血患者に生ずる同種血小板抗体を測定しうるか, 又同種血小板抗体を生じた患者に適合する血小板を選択するのに使用しうるかについて検討を加えたものであり, 得られた興味ある所...
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Veröffentlicht in: | 日本輸血学会雑誌 1982, Vol.28 (3), p.304-306 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 血小板抗体検出の方法はこれ迄数多く報告されているが, いずれも一長一短があり, 一定の見解を得るに至っていないのが現状である. 最近, SugiuraらはFITC標識抗ヒトIgGを用いた血小板抗体測定法を報告した1). この方法は感度, 再現性に優れている他, 簡易で短時間で測定が行えるとの特徴を有し, 特発性血小板減少性紫斑病患者血小板上, 血清中に存在する血小板抗体の測定に有用であった. 本研究は, この方法により, 頻回輸血患者に生ずる同種血小板抗体を測定しうるか, 又同種血小板抗体を生じた患者に適合する血小板を選択するのに使用しうるかについて検討を加えたものであり, 得られた興味ある所見について報告する. 方法:血清中の血小板結合IgG(PAIgG)の測定 被検血清をプール血小板(通常10人分)洗滌液と20分, 室温でincubateした後, 血小板を2回洗滌する. この血小板浮遊液に, FITC標識抗ヒトIgG血清を加え, 再び室温20分でincubateした後, 2回洗滌し, SDSを加えて血小板を可溶化する. 日本分光蛍光分光度計にてexitation wavelength 493nm, emission wavelength 516nmで蛍光量を測定し, 結果を血小板1個当りに結合した抗ヒトIgG抗体量(femtogram)で表現した. |
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ISSN: | 0546-1448 |