輸血後非B型肝炎と血中免疫複合体

1.目的供血血液のB型肝炎抗原のスクリーニング法が改良されるにつれ,輸血後B型肝炎は皆無の状態となりつつある.そこで非B型肝炎の臨床,感染因子の証明,血清学的な診断法が是非解決されねばならぬ問題である.非B型肝炎について,慢性活動性肝炎(キャリー)の長期追跡例,その間の,人とチンパンジーヘの感染が報告されるなど,次々と新しい報告がなされている.非B型肝炎においても,且型肝炎の場合と同様に流血中に,抗原,免疫複合体,抗体が相次いで出現することが想定される.輸血後肝炎患者の血液を経時的に検査し,免疫複合体の上昇を証明すれば,その前後に抗原および抗体の存在を検出しうる可能性がある.われわれは,非B型...

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Hauptverfasser: 江草康夫, 千島雅太郎, 鳥居有人
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:1.目的供血血液のB型肝炎抗原のスクリーニング法が改良されるにつれ,輸血後B型肝炎は皆無の状態となりつつある.そこで非B型肝炎の臨床,感染因子の証明,血清学的な診断法が是非解決されねばならぬ問題である.非B型肝炎について,慢性活動性肝炎(キャリー)の長期追跡例,その間の,人とチンパンジーヘの感染が報告されるなど,次々と新しい報告がなされている.非B型肝炎においても,且型肝炎の場合と同様に流血中に,抗原,免疫複合体,抗体が相次いで出現することが想定される.輸血後肝炎患者の血液を経時的に検査し,免疫複合体の上昇を証明すれば,その前後に抗原および抗体の存在を検出しうる可能性がある.われわれは,非B型肝炎に関連する抗原・抗体発見の端緒とする目的で,輸血を受けた症例の血中免疫複合体を検索した.免疫複合体検出法として幾多の方法が開発されているが,良好な成績を得ている鋭敏なqq結合試験(固相法)を用いた. 2.方法 (1)C_1 qの精製:C_1 qは,Kolbらの方法に準じ,ヒト保存血漿から,IgGセファロースアフィニティカラムおよびセファロース6Bゲル濾過により精製した.
ISSN:0546-1448