高知県内における献血者のDiego^b- 者の出現頻度

Diego式血液型は人種による分布が極端に異っている. 我国においてのDiego抗体の報告は比較的最近で1970年中島らが抗Di^b 抗体の第一例を報告している. 当センターも1978年に献血者から一例を検出した. 抗Di^b 抗体をもつ者が輸血を必要とする場合, 適合血液をみつけることは非常に困難である. 現在, 日本赤十字社血液センターの, まれな血液型研究班でも同タイプの登録者をふやすことが必要であり, 努力を続けている. 当血液センターにおいても抗体スクリーニング法の改善, 抗原のスクリーニング等により検出率をあげている. 我々がさきに検出した抗Di^b 抗体を用いて献血者のDi^b 抗原のスクリーニングを行い表のごとく約10,000例中15例のDi^(b-) を見出した. 我国での遺伝子頻度, および表現型頻度を算出すると(大阪府赤十字血液センター調べ), 0.23%となり当県の出現頻度はそれに比較しやや低いようであるが, 実際に検出を行った他の血液センターに比較すると高率である. この血液型についてはあまり研究も進んでいないので国際的にも日本人についてはよく知られていない. しかし最近, 輸血検査が厳重に行われるようになってきており, この種のまれな血液型の不規則抗体もよく検出されるようになってきた. 血液センターでは医療機関の要望にこたえられるように, まれな血液型の検索をすすめる必要がある. 当血液センターも報告したように, 検出された献血者の国内登録をすすめて, 万一の輸血に対処できるよう努力している.