フタル酸エステルを含有しない塩化ビニル樹脂(MEDIDEX(R)樹脂)の培養細胞に及ぼす影響
Calleyら(1966)ならびにNematollahiら(1967)がポリ塩化ビニル(以下PVC)樹脂製の医療用具, とくに血液バッグから添加物が溶出することを指摘して以来, PVCの添加剤の主たるものであるフタル酸エステールの毒性について強い関心がもたれてきている. フタル酸ニステルを含有しない毒性の低い樹脂の開発が望まれてきたが, MEDIDEX(以下MD)樹脂はこの様な要望にこたえるべく開発されたフタル酸エステルを含まない樹脂である. 今回MD樹脂製ならびに市販の旧来のPVC樹脂製血液バッグを用い, その抽出物の培養細胞におよぼす影響と, carcinogenicityをしらべたので報...
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Format: | Tagungsbericht |
Sprache: | jpn |
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Zusammenfassung: | Calleyら(1966)ならびにNematollahiら(1967)がポリ塩化ビニル(以下PVC)樹脂製の医療用具, とくに血液バッグから添加物が溶出することを指摘して以来, PVCの添加剤の主たるものであるフタル酸エステールの毒性について強い関心がもたれてきている. フタル酸ニステルを含有しない毒性の低い樹脂の開発が望まれてきたが, MEDIDEX(以下MD)樹脂はこの様な要望にこたえるべく開発されたフタル酸エステルを含まない樹脂である. 今回MD樹脂製ならびに市販の旧来のPVC樹脂製血液バッグを用い, その抽出物の培養細胞におよぼす影響と, carcinogenicityをしらべたので報告する. 材料と方法:細胞はマウス由来のL-92細胞ならびにヒト羊膜由来のFL細胞を用い, Eagle MEM培地に牛胎児血清を10%添加して培養した. 血液バッグはMD樹脂製の他に, 旧来のPVC樹脂製バッグとして日本製1社(PVC-Aと称す), 米国製2社(PVC-BならびにPVCCと称す)のものを用いた. 細胞に及ぼす影響の実験は, Guesら(1967)の方法に準じた単層L細胞上に寒天を含んだ培地を重層し, その上に各試料片をおく寒天重層法と, 各試料片を水(121℃, 60分間), ヘキサン(室温, 7日間)ならびに牛胎児血清(37℃, 7日間)で抽出し, その抽出液を培地中に添加し細胞増殖度ならびに形態を観察する直接法とを行なった. 上記抽出物の発癌性の有無は微生物に対する突然変異誘起性を指標にしてしらべた. その方法はAmes Salmonella systemとE. coli systemのreversion assayならびにS9-mixtureを用いる代謝活性化法を用いた. 抽出液中のdi(2-ethylhexyl)phthalate(以下DEHP)の定量は検液をn-ヘキサンで再度抽出し, FID-ガスクロマトグラフィー法により行なった. |
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ISSN: | 0546-1448 |