フタル酸エステルを含有しない塩化ビニル樹脂(MEDIDEX(R)樹脂)の走査電顕による表面構造と血液成分に及ぼす影響

現在繁用されている医療用軟質塩化ビニル樹脂(PVC)に添加されている可塑剤, di-2-ethyl hexyl phthalate(DEHP)の毒性等について種々論議されている. 最近, 筆者らはDEHPに替えて高分子ポリマーで溶出物の懸念のないポリウレタンを可塑剤とした新しい医療用ポリ塩化ビニル樹脂(MEDIDEX樹脂, 以下MD)を開発した. MDは物理化学的, 生物学的基礎研究を重ねた結果, 人工腎臓用血液回路として既に使用され, 川原らは使用経験と同時にDEHPが溶出することのない血液回路として, 一般のPVCの場合避け得ないDEHPの溶出問題は十分解決されたと報告している. 今回血液...

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Hauptverfasser: 鍵谷昌男, 有村博文, 榎本浩, 近江昭一, 北川勉, 佐古英二
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:現在繁用されている医療用軟質塩化ビニル樹脂(PVC)に添加されている可塑剤, di-2-ethyl hexyl phthalate(DEHP)の毒性等について種々論議されている. 最近, 筆者らはDEHPに替えて高分子ポリマーで溶出物の懸念のないポリウレタンを可塑剤とした新しい医療用ポリ塩化ビニル樹脂(MEDIDEX樹脂, 以下MD)を開発した. MDは物理化学的, 生物学的基礎研究を重ねた結果, 人工腎臓用血液回路として既に使用され, 川原らは使用経験と同時にDEHPが溶出することのない血液回路として, 一般のPVCの場合避け得ないDEHPの溶出問題は十分解決されたと報告している. 今回血液袋として使用するべく, 血液がMDと接触するときの影響を調べた. 保存血中の血小板, 赤血球等の保存性はその容器内面の表面構造と密接な関係があるものと考えられたので, その表面構造を走査電顕により調べた. 実験材料の方法 供試採血袋として, MD製とDEHPを可塑剤としたPVC製(A Co, B Co)を用い, 別に採血瓶(C, Co)を用いた. この4材料はいずれもACD-A液30mlを分注し, 滅菌されている. この材料を用い, 常法に従い200ml採血し, 4℃に4週間保存し, 各週毎に実験成績の項に述べる15項目について血液学的諸検査を実施した. 袋内面の表面構造は未使用の袋について走査電顕で精査した.
ISSN:0546-1448