凍結保存中の温度変化の赤血球に及ぼす影響

冷凍血液の規準は, 昨年厚生省により示され, いよいよ本格的なスタートを切った. 凍結保存には緩速法と急速法があるが我々は昭和47年以来, -85℃の超低温槽を用いた緩速法で行っている. この方法は容易ではあるが, 電気的, 機械的な故障がさけられない. 赤血球を, 高濃度グリセリンで凍結する緩速法では, かなりの温度変化に耐えうると言われているが, 今回その確認の意味で若干の検討を行った. 方法:赤血球濃厚液100mlに, これと等量の8.6モルのグリセリンを加え, -85℃で凍結した後, 第1群では, +4℃に6時間放置後, 再び-85℃で凍結. 第II群では, -30℃に6時間放置後,...

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Hauptverfasser: 湯浅晋治, 横田広夫, 菊島慶昭, 奥山輝之, 山崎忠光, 城所仂, 山口保男, 竹内華枝子
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:冷凍血液の規準は, 昨年厚生省により示され, いよいよ本格的なスタートを切った. 凍結保存には緩速法と急速法があるが我々は昭和47年以来, -85℃の超低温槽を用いた緩速法で行っている. この方法は容易ではあるが, 電気的, 機械的な故障がさけられない. 赤血球を, 高濃度グリセリンで凍結する緩速法では, かなりの温度変化に耐えうると言われているが, 今回その確認の意味で若干の検討を行った. 方法:赤血球濃厚液100mlに, これと等量の8.6モルのグリセリンを加え, -85℃で凍結した後, 第1群では, +4℃に6時間放置後, 再び-85℃で凍結. 第II群では, -30℃に6時間放置後, 再び-85℃で凍結. 第III群では, -30℃に6時間放置後, +4℃で6時間保存し, 再び-85℃で凍結した. 解凍後は, 50%ブドウ糖液を, 血球と等量添加後, 5%果糖液750mlで3回脱グリセリンを行った. 赤血球の再浮遊は, 生理的食塩水200mlを加えて行った. 各群の洗浄段階の溶血状態, ATP, 2.3DPG, 赤血球抵抗について測定した. 結果:第1回及び第2回の洗浄時の遊離ヘモグロビン値は, 各群とも60mg/dl 90mg/dlの間にある. 第3回洗浄時と生理的食塩水に浮遊した時に各群とも差はほとんどなく, それぞれ50mg/dl, 100mg/dl前後である. -85℃で連続的に保存したcontrol群は, 特に, 第3回20mg/dl, 生理的食塩水浮遊時70mg/dlと実験各群に比較して低値である.
ISSN:0546-1448