輸血液のHBs抗原量(RIA法)と肝炎の臨床経過

(表1)は, 輸血用血液に対するHBs抗原チェックによる輸血後肝炎の減少効果を示す. 輸血後肝炎の発生は, チェック前35%, IES法によるチェック後26%, RIA法によるチェックでは24%である. HBs抗原チェックによる輸血後肝炎の発生は20~30%に防止されるにすぎない. HBs抗原陽性肝炎の発生に関しては, HBs抗原チェックにより, その発生は1/2(IES法によるチェック)~1/3(RIA法によるチェック)に減少するが, 現在もなおHBs抗原陽性肝炎は示すごとく, 輸血後肝炎の25~19%に認められ, HBs抗原陽性またはHBs抗体陽性肝炎は, 輸血後肝炎の55%~29%に認め...

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Hauptverfasser: 黒木哲夫, 金賢一郎, 門奈丈之, 山本祐夫
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:(表1)は, 輸血用血液に対するHBs抗原チェックによる輸血後肝炎の減少効果を示す. 輸血後肝炎の発生は, チェック前35%, IES法によるチェック後26%, RIA法によるチェックでは24%である. HBs抗原チェックによる輸血後肝炎の発生は20~30%に防止されるにすぎない. HBs抗原陽性肝炎の発生に関しては, HBs抗原チェックにより, その発生は1/2(IES法によるチェック)~1/3(RIA法によるチェック)に減少するが, 現在もなおHBs抗原陽性肝炎は示すごとく, 輸血後肝炎の25~19%に認められ, HBs抗原陽性またはHBs抗体陽性肝炎は, 輸血後肝炎の55%~29%に認められる, 現在我々が取扱う輸血後B型肝炎は, このような, IES法あるいはSRID法によって検出できない微量のHBs抗原侵入により発生すると考えられるB型肝炎であり, HBs抗原チェック以前の輸血後B型肝炎とその発生の基盤が異なる. このような微量のHBs抗原侵入により発生する輸血後のB型肝炎についての, 正確な病態の把握が必要である.
ISSN:0546-1448