腸骨に発生した血友病性偽腫瘍の手術例

血友病性偽腫瘍は比較的稀であるが, 著しい身体機能障害をもたらす重篤な合併症である. 最近, 我々は血友病A患者に於て, 右腸骨に小児頭大の偽腫瘍を形成し, その摘出術を行なったので, その経過について述べる. 症例:男子, 39歳. 職業は洋服業. 主訴:右臀部の腫瘤, 家系に血族結婚はない. 出血傾向は, 患者の妹の2男児が共に血友病Aである. 既往歴:5歳時, 前頭部を打撲し, 血腫形成, 近医にて切開を受けたが, 創はなかなか治癒しなかったという. この頃より, 肘関節, 肩関節, 膝関節等に出血を繰返す様になった. 昭和48年5月, 金沢大学受診し, 血友病Aと診断された. 現病歴:...

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Hauptverfasser: 徳田晴厚, 福井弘, 吉田邦男, 谷口俊四郎, 河崎則之, 増原建二
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Zusammenfassung:血友病性偽腫瘍は比較的稀であるが, 著しい身体機能障害をもたらす重篤な合併症である. 最近, 我々は血友病A患者に於て, 右腸骨に小児頭大の偽腫瘍を形成し, その摘出術を行なったので, その経過について述べる. 症例:男子, 39歳. 職業は洋服業. 主訴:右臀部の腫瘤, 家系に血族結婚はない. 出血傾向は, 患者の妹の2男児が共に血友病Aである. 既往歴:5歳時, 前頭部を打撲し, 血腫形成, 近医にて切開を受けたが, 創はなかなか治癒しなかったという. この頃より, 肘関節, 肩関節, 膝関節等に出血を繰返す様になった. 昭和48年5月, 金沢大学受診し, 血友病Aと診断された. 現病歴:約7年前, 回盲部に腫瘤出現に気付き, 以後, 腫瘤は漸次増大し, 右臀部に小児頭大の腫瘤を形成するに至った. そのため, 昭和48年8月22日, 当科初診し, 当院整形外科へ入院した.
ISSN:0546-1448