外科領域における輸血後肝炎について
外科, とくに心臓外科においては, その手術の特異性の故に大量の血液を使用することが多い. 血液を使用する際に, 最も問題となるのは輸血後肝炎の発生である. オーストラリア抗原をふくむ血液は廃棄されるようになってからも輸血後肝炎の発生は期待されたほどには減少していない. 今回は外科領域における輸血後肝炎を中心に, その発生状況, 予防に関し検討を行なった. 材料および方法 九大第1外科および心臓外科において使用された血液, 術前, 術後経時的に採血した血液につき, HB-抗原, 抗体, 抗補体作用を検索し, あわせて肝機能の変化も追求した. 輸血血液の抗原, 抗体の出現ヒン度 輸血に使用された...
Gespeichert in:
Hauptverfasser: | , , , , , , , , |
---|---|
Format: | Tagungsbericht |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 外科, とくに心臓外科においては, その手術の特異性の故に大量の血液を使用することが多い. 血液を使用する際に, 最も問題となるのは輸血後肝炎の発生である. オーストラリア抗原をふくむ血液は廃棄されるようになってからも輸血後肝炎の発生は期待されたほどには減少していない. 今回は外科領域における輸血後肝炎を中心に, その発生状況, 予防に関し検討を行なった. 材料および方法 九大第1外科および心臓外科において使用された血液, 術前, 術後経時的に採血した血液につき, HB-抗原, 抗体, 抗補体作用を検索し, あわせて肝機能の変化も追求した. 輸血血液の抗原, 抗体の出現ヒン度 輸血に使用された血液をより感度の高い方法でretrospectiveに検索すると, 1外科では抗原および抗体が, それぞれ1.2%, 12.3%に検出され, 心臓外科では3.2%, 24.8%の多きに達した. 抗補体作用について いわゆる血清肝炎においては, 血清の抗補体作用が抗原-抗体複合物に由来するものであることがある. 輸血血液のスクリーニングに際し抗補体作用の検索も必要であると考える. 抗体価保有血液の感染性について 抗体価保有血液の輸血により, HB-抗原の感染がみられることがあり, このような血液の使用は禁忌といえよう. Purined Au-immune Globulinをもちいた免疫療法高抗体価保有血清より抗体分画のみを精製し電顕および生物学的検定法, さらにVolunteerでそれが感染性, 抗原性をもたぬ事を確かめcontaminated bloodの輸血をうけた例に使用した. 6カ月以上の観察で, 使用群の肝障害発生率は4.1%対照群は18.5%であり, 明らかに輸血後肝障害の発生を抑え得たと思われる. |
---|---|
ISSN: | 0546-1448 |