Hemodlynamicsからみた血液の粘性

最近, hemorheologyが, 出血性ショックによる末梢ジュン環不全, ネフローゼにおける糸球体の血行状態, 人工腎臓における, 特にcapillary kidneyの血栓形成などの分野で問題にされている. Hemorheologyは流れの学問であり, 近似的にpoiseuilleの法則を用いると, 流出量Qは圧力差(p_1 -p_2 )および粘性ηに影響され圧力差は流出量と流れの抵抗を掛けたものになる. いま, 圧力差(血圧)を上昇させるためには, 流れの抵抗を増す必要があり, 従来は薬剤によって血管径rを収縮させて, 血管抵抗を増す方法がとられてきた. しかし, この場合はcardi...

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Veröffentlicht in:日本輸血学会雑誌 1974, Vol.20 (1), p.107-107
Hauptverfasser: 加来信雄, 広橋貫之, 藤瀬嘉則, 川嶋英資, 井手道雄, 吉田晃治
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:最近, hemorheologyが, 出血性ショックによる末梢ジュン環不全, ネフローゼにおける糸球体の血行状態, 人工腎臓における, 特にcapillary kidneyの血栓形成などの分野で問題にされている. Hemorheologyは流れの学問であり, 近似的にpoiseuilleの法則を用いると, 流出量Qは圧力差(p_1 -p_2 )および粘性ηに影響され圧力差は流出量と流れの抵抗を掛けたものになる. いま, 圧力差(血圧)を上昇させるためには, 流れの抵抗を増す必要があり, 従来は薬剤によって血管径rを収縮させて, 血管抵抗を増す方法がとられてきた. しかし, この場合はcardiac powerが十分に存在しなければならない. cardiac powerがdownし, それがirreversibleに近づいた場合, 従来の考え方では末梢血管抵抗に耐え得なくなり, 心臓pumpに逆に荷がかかってくる可能性がある. このような見地から, 血液や, 輸液剤の粘性について実験をおこなった. 血液および血漿の4℃における粘性について, 血漿N=20, 平均総タンパク量6.9では, 6, 12, 30, 60rpmでの, 相対粘度は2.0, 3.6, 8.9, 17.5であり, 新鮮血 N=28, 平均Ht値46%では, 6, 12, 30, 60rpmでの, 相対粘度は13, 21, 40, 68で, 新鮮血は血漿の約6倍の粘性を有している. この血液を4℃で20日間保存すると, N=20平均Ht値51%では27, 39, 72, 100の粘性を示し血液の粘性は, 20日の間に2倍となる. この新鮮血が, 保存血の期限切れとなる20日間の間における粘性増加を経日的に追ってみると新鮮血から7日保存までは粘性増加は緩除で, 7~14日の間では急速に粘性の増加をみる. さらに14日を過ぎると粘性増加は緩除となる. 血漿および各種輸液剤の温度差による粘性の変化についてみると, Haemacelはplasma粘度に近くReomacrodexは血液粘度に等しく, macrodex DはReomacrodexよりも低値を示す.
ISSN:0546-1448