ACD保存血に関する研究

われわれは, 前回の輸血学会において, 出血性ショックイヌに対して保存血輸血を行なった場合の主として血液成分の変動を検索し報告したが, 今回は血行動態について検索したので報告する. 実験:7kg-25kgの雑種成熟イヌをラボナール麻酔, 人工呼吸器による陽圧13-15cmH_2 O調節呼吸下に, 左開胸し上行大動脈および左冠動脈回旋枝に矩形波電磁流量計のプローブを装着し心拍出量および左冠動脈回旋枝の流量を測定した. 左冠動脈回旋枝は左心耳直下で冠状溝に沿って小枝を損傷せぬよう鋭的あるいは鈍的に約1.5cm剥離しいかなる結紮も行なわない. この動脈と静脈の走行は, かなりバラエティに富んでおり,...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:日本輸血学会雑誌 1970, Vol.17 (5/6), p.238-240
Hauptverfasser: 関野昌宏, 広瀬光男, 村瀬恭一, 国藤三郎, 稲垣英知, 嘉屋和夫, 渡辺裕, 稲田潔, 本田憲児
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:われわれは, 前回の輸血学会において, 出血性ショックイヌに対して保存血輸血を行なった場合の主として血液成分の変動を検索し報告したが, 今回は血行動態について検索したので報告する. 実験:7kg-25kgの雑種成熟イヌをラボナール麻酔, 人工呼吸器による陽圧13-15cmH_2 O調節呼吸下に, 左開胸し上行大動脈および左冠動脈回旋枝に矩形波電磁流量計のプローブを装着し心拍出量および左冠動脈回旋枝の流量を測定した. 左冠動脈回旋枝は左心耳直下で冠状溝に沿って小枝を損傷せぬよう鋭的あるいは鈍的に約1.5cm剥離しいかなる結紮も行なわない. この動脈と静脈の走行は, かなりバラエティに富んでおり, 動脈が静脈より心房壁よりにあり交差して走行するような場合は, しばしば剥離困難である. このような操作により血圧の低下をきたしたもの, 心電図に異常をきたしたものなどは全て除外し, いわゆる心原性ショックの徴候を示さぬものだけを測定の対象とした.
ISSN:0546-1448