出血性素因を呈した一胃癌末期症例における止血機能の分析

症例:T.K.29才の男. 現病歴:元来健康であったが本年2月5日偶然左鎖骨上窩の腫瘤形成に気づいた. 2月15日某医にて試切を受け, 病理組織学的検査により消化管系原発の癌転移であることが判明した. 3月15日当科へ精査のため入院した. 自覚的な胃腸症状は全くない. また, 出血性素因に気づいたことはない. 家族歴, 生活歴, 既往歴:特に記すべきことはない. 現症:栄養は比較的良, 貧血(-), 黄疸(-), 脈拍, 血圧正常, 浮腫(-), 出血斑(-). 腹部所見:視診, 打診, 聴診上異常所見はない. 触診では肝を1横指触知するが, 脾, 腎および腫瘤は触れない. 入院時検査成績:便...

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Veröffentlicht in:日本輸血学会雑誌 1970, Vol.17 (1), p.17-19
Hauptverfasser: 古賀克明, 大里敬一, 前田義章, 石臥達雄, 中島修也, 高木輝, 田村裕道, 岸川英樹, 吉成意之, 小林廸夫
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例:T.K.29才の男. 現病歴:元来健康であったが本年2月5日偶然左鎖骨上窩の腫瘤形成に気づいた. 2月15日某医にて試切を受け, 病理組織学的検査により消化管系原発の癌転移であることが判明した. 3月15日当科へ精査のため入院した. 自覚的な胃腸症状は全くない. また, 出血性素因に気づいたことはない. 家族歴, 生活歴, 既往歴:特に記すべきことはない. 現症:栄養は比較的良, 貧血(-), 黄疸(-), 脈拍, 血圧正常, 浮腫(-), 出血斑(-). 腹部所見:視診, 打診, 聴診上異常所見はない. 触診では肝を1横指触知するが, 脾, 腎および腫瘤は触れない. 入院時検査成績:便潜血反応(-), 尿蛋白(+), 血液所見では赤血球数407×10^4 , Hb12.4g/dlで貧血はないが, 網状赤血球の増加(14‰), 血小板数の減少(7.3×10^4 )が認められ, 赤沈は14/33mmであった. 生化学的検査では著明なLDHの上昇(1,510単位)が認められた.
ISSN:0546-1448