人工液による脳灌流に関する実験的研究
現在移植臓器保存法の1つに, 血液成分を含まない灌流液による灌流法がある. その目的は主として, 臓器内の血液をwash outするための手段として用いられている. われわれは灌流法には, 血液をwash outするばかりでなく組織の代謝に関与したり, 代謝産物の運搬や灌流液のpHの調節などという利点があると考え, イヌの脳組織を研究対象として持続灌流実験を行なってみた. 実験の示標として, 脳波の回復状態を観察した. その対照実験としての血流遮断法や血液wash out後の血流遮断法などと比べて持続灌流法がすぐれているという実験成績をえた. 脳波の他に灌流前後の流出液内の滲透圧, Na^+...
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Veröffentlicht in: | 日本輸血学会雑誌 1968, Vol.15 (4), p.124-124 |
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Hauptverfasser: | , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 現在移植臓器保存法の1つに, 血液成分を含まない灌流液による灌流法がある. その目的は主として, 臓器内の血液をwash outするための手段として用いられている. われわれは灌流法には, 血液をwash outするばかりでなく組織の代謝に関与したり, 代謝産物の運搬や灌流液のpHの調節などという利点があると考え, イヌの脳組織を研究対象として持続灌流実験を行なってみた. 実験の示標として, 脳波の回復状態を観察した. その対照実験としての血流遮断法や血液wash out後の血流遮断法などと比べて持続灌流法がすぐれているという実験成績をえた. 脳波の他に灌流前後の流出液内の滲透圧, Na^+ , K^+ 濃度なども調べ, 持続灌流法が良いということを支持するデータがえられた. 質問 久大第2外科 古賀道弘 灌流液としてはリンゲル以外に何か使っているか. 解答 熊大第1外科 吉野晃平 リンゲル以外にも使用しているが, その他のものについては例数が少いので本日はリンゲル液の場合を報告した. 質問 九大第1外科 徳永皓一 組織灌流には灌流圧が非常に重要であると思うが, その程度は如何. 解答 熊大第1外科 吉野晃平 流量と灌流圧の関係は, 主従の関係にあって, 流量を一定にすれば必然的に灌流圧が規制されるので, 今は灌流圧には, 特に留意していない. 発言 熊大第1外科 福村昭信 現在10cc/kg/分の割合で灌流している. 灌流圧は電磁圧力計で120-180mmHg程度である. |
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ISSN: | 0546-1448 |