局所体外循環の灌流溶媒にみられる性状変化

われわれは制癌剤局所灌流療法に関する研究を行なっているが, 灌流溶媒の性状の変動について報告した. PO_2 は100mmHg以上, PCO_2 は20mmHg位まで低下, Buffer Base, Standard Bicarbonateは低く, Base deficitは著明であった. 現在まで乳酸は高値を示し50mg/dl以上になる例が多いが著明な増加の傾向は少ない. 要するに, 血液の代謝性アチドージスの状態に人工肺による呼吸性アルカロージスの加つた状態と考えられる. 生理的状態には遠いが, 悪性腫瘍の治療を目的としている立場では, 必ずしも生理的状態がよいとは考えていない. どのよう...

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Veröffentlicht in:日本輸血学会雑誌 1968, Vol.15 (1), p.25-26
Hauptverfasser: 吉永直胤, 赤木正信, 河津昌幸, 古閑博治, 甲斐知洋, 宮本吉辰, 原武司, 由布雅夫
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:われわれは制癌剤局所灌流療法に関する研究を行なっているが, 灌流溶媒の性状の変動について報告した. PO_2 は100mmHg以上, PCO_2 は20mmHg位まで低下, Buffer Base, Standard Bicarbonateは低く, Base deficitは著明であった. 現在まで乳酸は高値を示し50mg/dl以上になる例が多いが著明な増加の傾向は少ない. 要するに, 血液の代謝性アチドージスの状態に人工肺による呼吸性アルカロージスの加つた状態と考えられる. 生理的状態には遠いが, 悪性腫瘍の治療を目的としている立場では, 必ずしも生理的状態がよいとは考えていない. どのような内的環境が悪性腫瘍治療に有利であるかは今後の問題である.
ISSN:0546-1448