AGD保存血について

昨年の本学会でACD保存血の経時的変動について電解質および糖代謝を中心に発表した. 今回は溶血, 酸塩基平衡を中心に, その関連物質の経時的変動を検索した. イヌの赤血球寿命を51Cr標識による赤血球の放射能減衰速度で検索したところ, Tl/2は1243日でヒトのそれの約半分であった. またイヌ1, 2, 3週間の保存血をそれぞれ51Crで標識し再注入したところ, T1/2は1週保存血で9日, 2週で6日, 3週では5日でBottle内の赤血球残存率は, 著明に減少する. 溶血は新鮮ACD血で27mg/dlで, 1週以降急速に強くなる. 滲透圧は軽度上昇し, Ht値, 血清蛋白では著変を認めた...

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Veröffentlicht in:日本輸血学会雑誌 1967, Vol.14 (1), p.224-226
Hauptverfasser: 渡辺裕, 広瀬光男, 村瀬恭一, 原節雄, 種田耕三, 安藤充晴, 酒井淳, 東大輸血部
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:昨年の本学会でACD保存血の経時的変動について電解質および糖代謝を中心に発表した. 今回は溶血, 酸塩基平衡を中心に, その関連物質の経時的変動を検索した. イヌの赤血球寿命を51Cr標識による赤血球の放射能減衰速度で検索したところ, Tl/2は1243日でヒトのそれの約半分であった. またイヌ1, 2, 3週間の保存血をそれぞれ51Crで標識し再注入したところ, T1/2は1週保存血で9日, 2週で6日, 3週では5日でBottle内の赤血球残存率は, 著明に減少する. 溶血は新鮮ACD血で27mg/dlで, 1週以降急速に強くなる. 滲透圧は軽度上昇し, Ht値, 血清蛋白では著変を認めたい. GOT, GPTでは, 正常範囲内で経日とともに増加した. 保存中に明らかに腐敗したと思われるものは, 鰺透圧, 溶血, GOT, GPT何れも著明に増加していたので, これを除外し, 保存ビンで1週から3週までの血液につき細菌培養を行なった結果プレインハート・ブイヨン, チオグリコレートでともに陰性, 平板(普通)でも集落を認めなかった, 赤血球抵抗は経日とともに軽度減弱し, 保存初期, 最大抵抗0.46, 最小抵抗0.48%, 3週保存後では最大抵抗0.46, 最小抵抗は全例0.5%以上で, ここでも赤血球寿命と同様これらが溶血助長の1因子となりうると思われる.
ISSN:0546-1448