体外循環時の血液性状の研究-特に血液希釈の凝血機能に及ぼす影響について-へ補足

教室で施行した円盤型人工肺を使用せる常温下体外循環による開心術症例72例(全血使用例, 16例. 低分子デキストランによる血液希釈例56例)について血液希釈の血液性状, 特に凝血機能に及ぼす影響について, 全血使用による場合と比較検討し, つぎの結果をえた. 1)Ht値, 血漿ヘモグロビン増加量, 血小板数, プロトロンビン活性には全血群と希釈群とでは有意の差はみられない. 2)血漿フィブリノーゲン量は, 全血群では体外循環時の変動は軽微であるが, 希釈群では体外循環時間とともに減少し, 体外循環90分時には術前の約50%にまで減少する. 体外循環後約2-3時間後にもなお術前値の約80%と低値...

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Veröffentlicht in:日本輸血学会雑誌 1965, Vol.12 (1), p.134-134
Hauptverfasser: 宮本巍, 山本善護, 近森淳二, 中田健, 上田武, 藤田毅, 藤野俊夫, 宮崎正夫, 西崎宏, 曲直部寿夫, 藤本淳, 河合進
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:教室で施行した円盤型人工肺を使用せる常温下体外循環による開心術症例72例(全血使用例, 16例. 低分子デキストランによる血液希釈例56例)について血液希釈の血液性状, 特に凝血機能に及ぼす影響について, 全血使用による場合と比較検討し, つぎの結果をえた. 1)Ht値, 血漿ヘモグロビン増加量, 血小板数, プロトロンビン活性には全血群と希釈群とでは有意の差はみられない. 2)血漿フィブリノーゲン量は, 全血群では体外循環時の変動は軽微であるが, 希釈群では体外循環時間とともに減少し, 体外循環90分時には術前の約50%にまで減少する. 体外循環後約2-3時間後にもなお術前値の約80%と低値にある. これは単に血液希釈や, 体外循環によるものではなく, 低分子デキストランの血漿フィブリノーゲンに対する薬理作用によるものと推察される. 3)希釈群で, 標準フィブリン平板法による線溶活性の亢進はみられない.
ISSN:0546-1448