体外循環における末梢白血球の態度について
白血球機能に及ぼす輸血の影響を見る為, 追加実験を行なった. 即ち成犬に80cc/kgのヘパリン血を輸血すると, 白血球数は輸血中減少し, ヘパリン中和後1時間目頃より回復し術前値の130%にまで増加する, 粘着能はヘパリンの影響で輸血中輸血後を通じて低下し, 3日目に正常にもどる. 好中球遊走能は輸血終了時には殆んど変化なく, その後やゝ増強するが, これも3日目には輸血前の状態に帰る. トロンベラストグラムによって白血球添加の血液凝固に及ぼす影響について検索した. 体外循環後の血液は白血球添加によってr及びkの著明な短縮とmaの増大を来す. 同様の作用は赤血球にも認められるが, 同じ血漿に...
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Veröffentlicht in: | 日本輸血学会雑誌 1964, Vol.11 (1), p.20-20 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 白血球機能に及ぼす輸血の影響を見る為, 追加実験を行なった. 即ち成犬に80cc/kgのヘパリン血を輸血すると, 白血球数は輸血中減少し, ヘパリン中和後1時間目頃より回復し術前値の130%にまで増加する, 粘着能はヘパリンの影響で輸血中輸血後を通じて低下し, 3日目に正常にもどる. 好中球遊走能は輸血終了時には殆んど変化なく, その後やゝ増強するが, これも3日目には輸血前の状態に帰る. トロンベラストグラムによって白血球添加の血液凝固に及ぼす影響について検索した. 体外循環後の血液は白血球添加によってr及びkの著明な短縮とmaの増大を来す. 同様の作用は赤血球にも認められるが, 同じ血漿に白血球と赤血球を別々にほゞ同数添加してみると, これらの作用は白血球の方がより強い点が注目された. 体外循環患者の術後3週間目の血清を使用し, Daussetの凝集反応とLoghemに準じた抗人グロブリン抗体吸収試験によって, 抗白血球抗体の産生状況を検索した. その結果完全抗体は見られなかったが, 不完全抗体は14例中4例に認められ, これは従来いわれて来た頻回輸血患者での発生率に近く, 今後尚検討を要する. |
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ISSN: | 0546-1448 |