短期大量術前照射の自家骨髄移植療法による庇護対策について
基礎的実験として体重2500g前後の家兎を用い, 大腿骨より骨髄穿刺器にて穿刺法により骨髄を採取し, ハンクス液に浮遊させ, 骨髄浮遊液として4℃に保存した. 穿刺して3日後, ^^60 Co1500r(表面線量)を腹部に照射し, 照射24時間後に移植を行った. 照射5日後の生存率は, 骨髄移植群100%に対し, 非移植群は50%であった. 体重は, 両群共に減少の傾向にあるが, 移植群の方が減少は少く, その減少率は照射4日目, 移植群の10%に対し, 非移植群は20%にも達する. 白血球数も, 照射後減少傾向にあり, 4~5月後最少値を示す. 移植群ではその後, 恢復の傾向をみせる. 非移...
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Veröffentlicht in: | 日本輸血学会雑誌 1964, Vol.11 (1), p.13-14 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 基礎的実験として体重2500g前後の家兎を用い, 大腿骨より骨髄穿刺器にて穿刺法により骨髄を採取し, ハンクス液に浮遊させ, 骨髄浮遊液として4℃に保存した. 穿刺して3日後, ^^60 Co1500r(表面線量)を腹部に照射し, 照射24時間後に移植を行った. 照射5日後の生存率は, 骨髄移植群100%に対し, 非移植群は50%であった. 体重は, 両群共に減少の傾向にあるが, 移植群の方が減少は少く, その減少率は照射4日目, 移植群の10%に対し, 非移植群は20%にも達する. 白血球数も, 照射後減少傾向にあり, 4~5月後最少値を示す. 移植群ではその後, 恢復の傾向をみせる. 非移植群では2~3日遅れて恢復に向う. しかし, 大部分はこの頃までに死亡してしまう. 照射7日後に屠殺した肝・脾・副腎・骨髄の病理組織像では, 非移植群に, ^^60 Co照射によると思われる空胞変性, 萎縮像が見られるのに反し, 移植群ではその様な変化はみられず, 又あっても軽度であった. 臨床的には, 10名の消化器癌患者に行い, 抗ヒスタミン基礎麻酔, ノボカイン局所麻酔のみにて, 腸骨稜より, 骨髄穿刺針にて穿刺し骨髄を採取し, 10%血清加Hank液中に浮遊させ, 4℃に保存した. ^^60 Co1800r(500r 600r 700r)を局所に照射し, 照射24時間後に, 有核細胞数2000万~1億6000万個を肘静脈より注入した. ^^60 Co照射により, 減少した白血球数は移植により恢復した. 肝機能検査としてG.P.T, Z.T.T, Gros R. を追求してみると照射により正常値の範囲にあるが, 肝機能低下の傾向を示す. これに骨髄移植を行っても肝機能は改善しなかった. 又, ^^60 Co照射後の食欲減退, 全身倦怠感, 悪心等の照射カーテルは骨髄移植により, 改善された. ^^60 Co照射を受けないものについても, 骨髄移植を行ったが, これらのものには白血球数, 肝機能検査値, 自覚症に変化はなく, 骨髄移植は無効と思われた. |
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ISSN: | 0546-1448 |