妊婦の抗白血球抗体について
Payne, van Rood以来妊娠が輸血とともに抗白血球抗体産生の重要な原因であることは広く認められており, Payneは177例中43例に, Dausset et alは3回以上の妊娠により妊娠の8%に抗白球抗体を認めるとしている. 妊娠による発生する抗白血球抗体にはいくつかの特長があり, 第1は抗体価が概して低いこと, 第2には抗グロブリン消費試験が陰性であるものがほとんど全部であること, 第3に単一または少数の抗原に対する抗体であることなどがあげられている. それ故正確を期するためには夫白血球または児白血球を使用して抗白血球抗体の検出にあたる必要がある. われわれも, 同型またはO型...
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Veröffentlicht in: | 日本輸血学会雑誌 1964, Vol.10 (3/5), p.83-84 |
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Hauptverfasser: | , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | Payne, van Rood以来妊娠が輸血とともに抗白血球抗体産生の重要な原因であることは広く認められており, Payneは177例中43例に, Dausset et alは3回以上の妊娠により妊娠の8%に抗白球抗体を認めるとしている. 妊娠による発生する抗白血球抗体にはいくつかの特長があり, 第1は抗体価が概して低いこと, 第2には抗グロブリン消費試験が陰性であるものがほとんど全部であること, 第3に単一または少数の抗原に対する抗体であることなどがあげられている. それ故正確を期するためには夫白血球または児白血球を使用して抗白血球抗体の検出にあたる必要がある. われわれも, 同型またはO型白血球すくなくとも4例以上の白血球に対して白血球凝集反応を実施したので, その成績の一部を報告したい. 満期産(1回18例:2回5例:4回1例, 他に人工流産1回の既往の認められる満期産1回6例, 2回1例:人工流産3回の既往を認める満朗産1回1例)32例中陽性例は満期産2回例に1例認められたのみであった. Payneは妊娠による抗白血球抗体発生にはすくなくとも2回の妊娠が必要であるとしているが, われわれの例の大部分が満期産としては1回であったかも知れない. |
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ISSN: | 0546-1448 |