供血者ことに献血者の肝機能検査について

血清肝炎は年々発生率を増加し, その予防対策は焦眉の急を要する問題となっている. そしてそのもっとも有効な解決方法の1つとして, 現在の貧因者からの売血を主体とする形式を予献血にきりかえて眞に健康者の血液を医療に役立てる方法が考えられ, すでにアメリカにもおいてこの方法により肝炎発生率を1/3ないし1/8に減ずることが可能であるといわれている. われわれは年来献血運動を提唱し, 微力ながら安全な輸血の実現に努力しているが, 数年来献血者数もかなりの数に達してきたので, 献血による肝炎発生率を調査中であるが, こゝには供血者の肝機能検査を通じて得られた成績について報告する. 献血者552名, 売...

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Veröffentlicht in:日本輸血学会雑誌 1964, Vol.10 (3/5), p.62-62
Hauptverfasser: 村上省三, 徳永栄一, 松下有二, 五百川隆, 藤原ムチ, 中川たき子
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:血清肝炎は年々発生率を増加し, その予防対策は焦眉の急を要する問題となっている. そしてそのもっとも有効な解決方法の1つとして, 現在の貧因者からの売血を主体とする形式を予献血にきりかえて眞に健康者の血液を医療に役立てる方法が考えられ, すでにアメリカにもおいてこの方法により肝炎発生率を1/3ないし1/8に減ずることが可能であるといわれている. われわれは年来献血運動を提唱し, 微力ながら安全な輸血の実現に努力しているが, 数年来献血者数もかなりの数に達してきたので, 献血による肝炎発生率を調査中であるが, こゝには供血者の肝機能検査を通じて得られた成績について報告する. 献血者552名, 売血者470名について実施したSGO-T測定値は表1のようであり, 献血者においては41単位以上のものが16名2%に存在したが, その最高値は50単位台であるのに対して, 売血者では101単位以上のものもあり, 41~100単位のものも献血者にくらべて多少多く, かつ高単位を示すものがかなり存在した. 成鶏血球の血球凝集反応(Szwcsey et alの方法による)の成績は表2のようであるが献血者と売血者の間にはSGO-Tの場合のように顕著な差は認められなかった. またSGO-T値との間に平行関係は認められなかった. 肝機能に異常を示すものがかならずしも肝炎ウイルス保有者であるとは申せないが, 異常者群にウイルス保有者の多いことはすでに認められている事実である. われわれは以上の成績から予献血制度へのきりかえを主張するもである. なおニワトリ血球を利用してのその他の検査成績について報告したい.
ISSN:0546-1448