血清肝炎の発生状況について

過去10有余年の本邦における輸血の進歩と普及は実にめざましいが, その反面輸血後一定期間を経て血清肝炎の発生がしばしば経験されるようになった. しかし現在, 血清肝炎はその起因ビールス, 予防, 治療法などのいずれもが確立されていないので, 供血血液の枯渇と相挨って, 血清肝炎発生を最小限にとゞめるため, 血液の節減あるいはその濫用に対する反省が促がされている. こうした現状に鑑み, われわれは昭和32年より昭和37年までの6年間に岡山大学第2外科教室で輸血を行った手術例のうち, 胸腹部疾患1214例に限って血清肝炎の発生状況を統計的に観察したのて報告する. 対象とした胸腹部疾患中, 肝, 胆...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:日本輸血学会雑誌 1964, Vol.10 (3/5), p.39-41
Hauptverfasser: 砂田輝武, 志水浩, 河合進, 森本接夫, 津田弘純, 尾崎光泰, 大野致, 中矢良一, 大本武千代
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:過去10有余年の本邦における輸血の進歩と普及は実にめざましいが, その反面輸血後一定期間を経て血清肝炎の発生がしばしば経験されるようになった. しかし現在, 血清肝炎はその起因ビールス, 予防, 治療法などのいずれもが確立されていないので, 供血血液の枯渇と相挨って, 血清肝炎発生を最小限にとゞめるため, 血液の節減あるいはその濫用に対する反省が促がされている. こうした現状に鑑み, われわれは昭和32年より昭和37年までの6年間に岡山大学第2外科教室で輸血を行った手術例のうち, 胸腹部疾患1214例に限って血清肝炎の発生状況を統計的に観察したのて報告する. 対象とした胸腹部疾患中, 肝, 胆, 脾, 膵, 後腹膜の疾患および胃その他の臓器の癌で肝あるいは肝門転移の明かなものは除外した. 返信のえられたものは730%(60.2%)で, 内血清肝炎罹患確実と思われるもの65例であった.
ISSN:0546-1448