紙の上で行う血液群検査法(裏検査)に関する検討

紙の上で行う血液群検査法に関しては直接法については第5回本学会で内藤等により, 更に間接法については第8回本学会で北野等により, その実際経験から見た正鵠性について通常のスライド法或は試験管法と比較して何等劣ることなく, むしろ試験成績が永久保存に耐え, 又clerical errorを大きく減らせる利点があり, 安心して判定を行い得ることが報告されている. しかし乍ら現行の保存血液基準ではV-1血液型検査の項に於て血液型の確認即ち裏検査を被検血液の血清と既知のA及びB群血球を使用し試験管法又はくぼみガラス法によって検査することを規定している. 我々が従来より検討を加えて来た血液群紙上判定法は...

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Veröffentlicht in:日本輸血学会雑誌 1962, Vol.9 (2/3), p.35-35
1. Verfasser: 生垣賢
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:紙の上で行う血液群検査法に関しては直接法については第5回本学会で内藤等により, 更に間接法については第8回本学会で北野等により, その実際経験から見た正鵠性について通常のスライド法或は試験管法と比較して何等劣ることなく, むしろ試験成績が永久保存に耐え, 又clerical errorを大きく減らせる利点があり, 安心して判定を行い得ることが報告されている. しかし乍ら現行の保存血液基準ではV-1血液型検査の項に於て血液型の確認即ち裏検査を被検血液の血清と既知のA及びB群血球を使用し試験管法又はくぼみガラス法によって検査することを規定している. 我々が従来より検討を加えて来た血液群紙上判定法は表検査は表面光沢, 白色, 120斤モゾー紙で調製した検診チャートを裏検査は同様のモゾー紙よりなる血液群決定記録用紙を使用し, その平面上に直径2.0cmの円形の枠を設け, その上で反応を行い観察後速かに乾燥し保存する方法である. 今回の報告は血液群の確認検査即ち裏検査を紙上で判定し, その状態を永久記録として残すことが可能であり且つ現行の保存血液基準に規定する検査法との間に余り差のない方法を選ぶことを目的として検討したものである.
ISSN:0546-1448