骨髄移植の経験例

骨髄機能の極度に減退した白血病を含む4症例について, 骨髄移植を行ったので報告する. (方法)骨髄移植法は, 供血者をABO型式によって決定し, その胸骨並びに腸骨穿刺により, 総量40cc中に有核細胞約10億を含む骨髄血を採取し, これをヘパリン加, 生理的食塩水に浮遊させるものを静注した. (症例1)20才男子, 12月5日, 他院にて虫垂切除術施行後, 小児手拳大の皮下血腫を生じ, 白血球も13万を数えるため, 当科に転医して来た. 入院時所見は, 赤血球300万, 白血球7万及び血小板の著明な減少と出血傾向が認められた. 血液像は右側の末梢血, 並びに左側骨髄像に見る如く, 骨髄芽細胞...

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Veröffentlicht in:日本輸血学会雑誌 1961, Vol.8 (2), p.215-217
Hauptverfasser: 山瀬馨, 増田耕作, 大友祥伍, 高垣衞, 青柳庸三, 植松角雄, 平山泰広
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:骨髄機能の極度に減退した白血病を含む4症例について, 骨髄移植を行ったので報告する. (方法)骨髄移植法は, 供血者をABO型式によって決定し, その胸骨並びに腸骨穿刺により, 総量40cc中に有核細胞約10億を含む骨髄血を採取し, これをヘパリン加, 生理的食塩水に浮遊させるものを静注した. (症例1)20才男子, 12月5日, 他院にて虫垂切除術施行後, 小児手拳大の皮下血腫を生じ, 白血球も13万を数えるため, 当科に転医して来た. 入院時所見は, 赤血球300万, 白血球7万及び血小板の著明な減少と出血傾向が認められた. 血液像は右側の末梢血, 並びに左側骨髄像に見る如く, 骨髄芽細胞性白血病であり, 直ちにマイレラン, プレドニン, 止血剤の投与を開始し, 血腫の廓清を行った結果, 治療傾向を示した. 入院後の血液像の変化は, 第12病日から, スライドに見る如く, 5回にわたって, 同血型同胞から骨髄移植を行った.
ISSN:0546-1448