緑色調を帯びる異常着色血漿の本態について

1948年Holmbergは豚血清から青色の銅糖蛋白ceruloplasminを分離し, この物質がP-Phenylene diamin oxidasa活性を有していること, 酸化還元が可逆的でありVitaminで還元すれば無色となることなどを報告した. 一方吾々は正常健康と見られる人から採取した血液の約0.04%に異常な緑色調を帯びた血漿を有する血液のあることを経験した. これらの血液は採血直後では他の正常人血液と全く変りないが静置して血球が沈降してしまうと血漿部分の異常着色に気付くと云うものである. 個人によりその緑色の濃淡の差はあるが色調の系統は同一である. 異常を装う血液としてのこの緑...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:日本輸血学会雑誌 1961, Vol.8 (2), p.159-161
Hauptverfasser: 森未新一, 金丸光男
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:1948年Holmbergは豚血清から青色の銅糖蛋白ceruloplasminを分離し, この物質がP-Phenylene diamin oxidasa活性を有していること, 酸化還元が可逆的でありVitaminで還元すれば無色となることなどを報告した. 一方吾々は正常健康と見られる人から採取した血液の約0.04%に異常な緑色調を帯びた血漿を有する血液のあることを経験した. これらの血液は採血直後では他の正常人血液と全く変りないが静置して血球が沈降してしまうと血漿部分の異常着色に気付くと云うものである. 個人によりその緑色の濃淡の差はあるが色調の系統は同一である. 異常を装う血液としてのこの緑色を帯びる血漿中の有色物質が何であるかを追求したところ緑色血漿中に比較的多量のceruloplasminを検出し, そのための着色であることが確められた.
ISSN:0546-1448