職業的生血供血者に関する研究

前回の発表に続いて臨床症状を述べると, 1.供血前症候群として暫らく採血を休むと, 肩凝り便秘全身違和頭痛食慾不振鼻出血を訴えるが一般にI群に顕著である. 2.採血中症候群として気分爽快はI群に多く冷汗胃部熱感心悸亢進はII群に多い. 3.供血後の症状は睡眠良好気分爽快食欲亢進はI群に100%, II群80%で口渇便通良好浮腫感はI群に多く息切れ頭痛歩行困難悪心嘔吐はII群に多く訴える. 採血後失禁する者が有る. 性別では凡て7症状は女性に僅か訴えが多い. 供血者は自己の体に適した血色素量即ちI群では40~60%血色素II群では60~70%血色素量を至適としそれを過ぎれば供血前症状を呈する....

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Veröffentlicht in:日本輸血学会雑誌 1961, Vol.7 (6), p.442-443
Hauptverfasser: 鵜飼昌訓, 水野茂, 白井俊彦, 鈴木光夫, 早瀬友博, 佐竹弘, 中島正光, 土岡通,
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:前回の発表に続いて臨床症状を述べると, 1.供血前症候群として暫らく採血を休むと, 肩凝り便秘全身違和頭痛食慾不振鼻出血を訴えるが一般にI群に顕著である. 2.採血中症候群として気分爽快はI群に多く冷汗胃部熱感心悸亢進はII群に多い. 3.供血後の症状は睡眠良好気分爽快食欲亢進はI群に100%, II群80%で口渇便通良好浮腫感はI群に多く息切れ頭痛歩行困難悪心嘔吐はII群に多く訴える. 採血後失禁する者が有る. 性別では凡て7症状は女性に僅か訴えが多い. 供血者は自己の体に適した血色素量即ちI群では40~60%血色素II群では60~70%血色素量を至適としそれを過ぎれば供血前症状を呈する. 月経はI群3~4日II群5~7日遅れる者が多い. II群で妊娠して2回流産している. 血液所見で赤血球数250万以下が3例あり女性は350万以下が90%も, Ht値は30~40%18例30%以下10例Hb量50~70%14例50%以下10例色素係数0.6~0.8 16例0.43 2例, 血清鉄量50γ/dl以下23例, 血小板数は正常を示す. 肝臓腫脹は全例中43%にI群66%II群26%, BSP試験でI群47%II群26%に障害される. モイレンブラハト値は7以下で殊に4以下が多い. プロトロンビンは正常血沈は凡て促進傾向, 血液凝固時間には正常, 出血時間3~7分の遅延を示す. TEGはr短縮ma増加k正常である. 骨髄所見の中著見は網状細胞のHistio-BasoがI群の6例II群に2例, 赤芽球でHypochromの状態が全部に認められOrthochromの割にPolychronよりBasophilの物が多い. 心臓所見で徐脈を示すもの多く変動巾が広い. EKGは正常者多く, QT時間及びQT ratioはGoldbergerの判定で1.1以上10例も又運動負荷試験でSTT降下と脈搏数の安静時との比40%~157%増加を認めた. 循環血液量は少く循環血漿量は多い. 血漿蛋白は正常血糖は低いものが多い. 治療に養命散を用いる. 結論, 以上生血供血者の超大量採血例を報告したが, 血液銀行でも現在ではかゝる大量採血例は決して珍らしい事ではない. 問 養命散という増血剤はどんな成分ですか. 答 生血供血者の服用している増血剤は, 「にんにく, 硫黄, 鉄」の合剤で1日1回20~25gr位酒で服用しています. 7日分50円位です. 問 増血剤の中毒症状は有りませんか. 答 之は余り気を付けませんでしたが, 顕著な症状は認められない様でした. 発言 渡辺茂夫先生 答 鵜飼昌訓先生
ISSN:0546-1448