保存血使用前抜取り検査の成績

吾々は保存血の質的実態を把握する目的で, 使用日, 朝に内容の一部を無菌的に採取し, 無菌試験並びに血漿蛋白, Hct値の測定を行った. 対象は昭和31年9月より昭和32年1月迄1年3ヶ月間の当血銀保存血及びA, B2社より購入せる保存血10652単位中, 任意に選択せる計1118単位である. 内, 当血銀678単位, A社129単位, B社11単位であった. 1. 無菌試験. 各保存血に就きTGC倍地を用ひ, 37℃及び22℃にて培養し, 8日目に判定した. 培養と同時に塗抹標本を作製鏡検した. 成績は当血銀978単位, A社129単位, B社11単位中, 夫々陽性例は皆無であった. 2....

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Veröffentlicht in:血液と輸血 1958, Vol.4 (5), p.213-214
Hauptverfasser: 新島昭二, 佐藤匡, 滝沢金八郎, 早坂信夫
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:吾々は保存血の質的実態を把握する目的で, 使用日, 朝に内容の一部を無菌的に採取し, 無菌試験並びに血漿蛋白, Hct値の測定を行った. 対象は昭和31年9月より昭和32年1月迄1年3ヶ月間の当血銀保存血及びA, B2社より購入せる保存血10652単位中, 任意に選択せる計1118単位である. 内, 当血銀678単位, A社129単位, B社11単位であった. 1. 無菌試験. 各保存血に就きTGC倍地を用ひ, 37℃及び22℃にて培養し, 8日目に判定した. 培養と同時に塗抹標本を作製鏡検した. 成績は当血銀978単位, A社129単位, B社11単位中, 夫々陽性例は皆無であった. 2. 血漿蛋白濃度 ACD混和保存血を遠心し, その血漿の就き屈折計を用いて測定した. 保存日数別の変化を検討せる結果は表1に示す如くである. B社保存血に就いては検査例数が少いので傾向を見る事は出来ないが, 当血銀例, A社229例の検討では一般に保存日数の経過と共に血漿蛋白濃度は減少の傾向を示す. 保存日数5日より20日迄の間に両者共平均値に於て約1g/dlの減少が見られた. 当血銀及びA社の蛋白濃度は略々等しい値を示しているが, B社のそれは著しく低い.
ISSN:0546-1448