MHCクラスI遺伝子におけるペンギン科7種の分子進化学的解析
「はじめに」MHC分子は細胞表面に存在する細胞膜貫通型糖タンパク分子であり, 細胞内のさまざまなタンパク質の断片(ペプチド)を細胞表面に提示する. MHC分子にはクラスI分子とクラスII分子があるが, MHCクラスI分子は細胞内タンパクの分解産物である内因性ペプチドを結合してCD8陽性T細胞に提示し, MHCクラスII分子は細胞内に取り込まれた外来性抗原や細胞膜タンパクの分解産物であるペプチドを結合してCD4陽性T細胞に提示する. このため, MHC分子はT細胞免疫応答の制御において重要な機能を果たす. MHC分子をコードするMHC遺伝子群は高度な多様性に富むが, この多様性はペプチドとの結合...
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Veröffentlicht in: | MHC(日本組織適合性学会誌) 2015, Vol.22(3), pp.156-163 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「はじめに」MHC分子は細胞表面に存在する細胞膜貫通型糖タンパク分子であり, 細胞内のさまざまなタンパク質の断片(ペプチド)を細胞表面に提示する. MHC分子にはクラスI分子とクラスII分子があるが, MHCクラスI分子は細胞内タンパクの分解産物である内因性ペプチドを結合してCD8陽性T細胞に提示し, MHCクラスII分子は細胞内に取り込まれた外来性抗原や細胞膜タンパクの分解産物であるペプチドを結合してCD4陽性T細胞に提示する. このため, MHC分子はT細胞免疫応答の制御において重要な機能を果たす. MHC分子をコードするMHC遺伝子群は高度な多様性に富むが, この多様性はペプチドとの結合に直接関わる部位に集積している. ウイルスや細菌などの外来微生物をはじめとする種々の抗原に対するT細胞免疫応答には個体差があることがよく知られているが, この個体差の一因はMHCの多様性に依存して結合するペプチドのレパートリーが異なることによる. |
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ISSN: | 2186-9995 2187-4239 |
DOI: | 10.12667/mhc.22.156 |