生体, 死体腎移植とHLA

移植医療に必要不可欠な組織適合性検査は, 近年, HLA-DNAタイピングの確立, フローサイトメトリークロスマッチの導入などめざましい進歩を遂げている. さらに, MHC領域全般にわたる遺伝子解析も活発に進められている. 移植患者の予後を改善する目的で, これらの多くの情報の中から, より正確に予後を反映する免疫学的予後因子を見出し臨床応用することが, 私ども臨床に携わるものの役割である. 組織適合性検査は, 死体腎移植では, より良好な予後を期待できるレシピエントを選択すること(選択基準の確立)に, 生体腎移植では, ドナーが限定されるため, 移植前の拒絶反応のおこりやすさの予測, そして...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:MHC(日本組織適合性学会誌) 1999, Vol.6 (1), p.44-44
Hauptverfasser: 小林孝彰, 横山逸男, 加村ひろみ, 小原節子, 打田和冶
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:移植医療に必要不可欠な組織適合性検査は, 近年, HLA-DNAタイピングの確立, フローサイトメトリークロスマッチの導入などめざましい進歩を遂げている. さらに, MHC領域全般にわたる遺伝子解析も活発に進められている. 移植患者の予後を改善する目的で, これらの多くの情報の中から, より正確に予後を反映する免疫学的予後因子を見出し臨床応用することが, 私ども臨床に携わるものの役割である. 組織適合性検査は, 死体腎移植では, より良好な予後を期待できるレシピエントを選択すること(選択基準の確立)に, 生体腎移植では, ドナーが限定されるため, 移植前の拒絶反応のおこりやすさの予測, そして免疫抑制療法の決定(免疫抑制療法の個別化)に応用できる. 今回は, 以下の点に着目して発表する. (1)HLA適合度と拒絶反応, 予後 生体および死体腎移植の自験例を中心に, HLA適合度, とくにDRB1などDNAタイピングの意義について検討する. また, 死体腎移植においてネットワーク発足前と後で生着率に変化がみられたか, またそれに影響を及ぼすHLA適合度, 虚血時間の長さなどに違いがあったかも調査する. そして, レシピエント選択基準の見直しの必要性について考察する.
ISSN:2186-9995