細胞外マトリックス成分のTGF-β1との相互作用

目的:TGF-β1とマトリックス成分との相互作用はその構成成分の一つであるデコリンについて明らかになっているのみである. 今回の研究ではI型コラーゲン, および近年同定されたデルマトポンチンとの相互作用を検討することによりTGF-β1のマトリックス内での挙動を検討した. 方法:^^125 I-TGF-β1を用いてI型コラーゲン, デルマトポンチンとの相互作用を固相法にて検討した. またTGF-β1が細胞に与える作用に及ぼすマトリックス成分の影響をルシフェラーゼコンストラクトをトランスフェクトしたミンク肺上皮細胞を用いて検討した. 結果:(1)I型コラーゲン, デルマトポンチンは互いに複合体を形...

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Veröffentlicht in:CONNECTIVE TISSUE 1999, Vol.31 (2), p.118-118
Hauptverfasser: 渋谷博美, 岡本修, 藤原作平, 高安進
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:目的:TGF-β1とマトリックス成分との相互作用はその構成成分の一つであるデコリンについて明らかになっているのみである. 今回の研究ではI型コラーゲン, および近年同定されたデルマトポンチンとの相互作用を検討することによりTGF-β1のマトリックス内での挙動を検討した. 方法:^^125 I-TGF-β1を用いてI型コラーゲン, デルマトポンチンとの相互作用を固相法にて検討した. またTGF-β1が細胞に与える作用に及ぼすマトリックス成分の影響をルシフェラーゼコンストラクトをトランスフェクトしたミンク肺上皮細胞を用いて検討した. 結果:(1)I型コラーゲン, デルマトポンチンは互いに複合体を形成した. (2)I型コラーゲン, デルマトポンチンはそれぞれ単独でTGF-β1と濃度依存性に結合した. (3)I型コラーゲン-デルマトポンチン複合体は各々単独の場合より2~3倍のTGF-β1を結合した. (4)デルマトポンチンはTGF-β1がミンク肺上皮細胞に及ぼす生物学的作用を増強しI型コラーゲンは抑制した. 考察, 結論:局所で産生されたTGF-β1は細胞外マトリックスのI型コラーゲン, デルマトポンチンなどにより形成される高分子複合体に効率よく捕捉されると同時に, これらの細胞外マトリックス分子によりその生物学的作用が制御されている可能性が示された.
ISSN:0916-572X