模型マトリックスメタロプロテアーゼの細胞表層での局在と機能
癌細胞の組織浸潤には細胞表層での細胞外基質の分解が必要である. 我々は, 細胞外基質分解酵素として重要なマトリックスメタロプロテアーゼ・ファミリーの中に, 膜型酵素として細胞表層で機能する膜型マトリックスメタロプロテアーゼ(MT-MMPs)のグループが存在することを明らかにしてきた. その中の一つであるMT1-MMPは高頻度にヒト腫瘍で発現が認められ, 基底膜分解酵素であるゼラチナーゼAの特異的な活性化因子としても機能している. 浸潤性の癌細胞は, 運動方向の細胞外基質に対して接着と分解を繰り返すことによって, 浸潤性移動を達成する. この際に, 接着と分解に関わる分子は浸潤先進部に配置され,...
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Veröffentlicht in: | CONNECTIVE TISSUE 1999, Vol.31 (2), p.90-90 |
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1. Verfasser: | |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 癌細胞の組織浸潤には細胞表層での細胞外基質の分解が必要である. 我々は, 細胞外基質分解酵素として重要なマトリックスメタロプロテアーゼ・ファミリーの中に, 膜型酵素として細胞表層で機能する膜型マトリックスメタロプロテアーゼ(MT-MMPs)のグループが存在することを明らかにしてきた. その中の一つであるMT1-MMPは高頻度にヒト腫瘍で発現が認められ, 基底膜分解酵素であるゼラチナーゼAの特異的な活性化因子としても機能している. 浸潤性の癌細胞は, 運動方向の細胞外基質に対して接着と分解を繰り返すことによって, 浸潤性移動を達成する. この際に, 接着と分解に関わる分子は浸潤先進部に配置され, 細胞移動と協調して働くように制御されていると考えられる. 浸潤性メラノーマ細胞をフィブロネクチンでコートしたゼラチンゲルの上におくと, 接着蔓に対して突起を伸ばす. この時, 接着蔓の分解はこの突起状構造の周辺から起こることが観察されている. MT1-MMPの浸潤性突起への局在がどの様に制御されるのか, そこでのゼラチナーゼAの活性化がどの様に制御されるのかについての最近の成果を紹介する. |
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ISSN: | 0916-572X |