膜型マトリックメタロプロテアーゼ
細胞外基質を分解面で制御しているのがマトリックスメタロプロテアーゼ(matrix metalloproteinase: MMP)あるいはマトリキシン(Matrixin)と呼ばれる一群の金属プロテアーゼとセリンプロテアーゼに属する酵素群である. 特にMMPは基質特異性の異なる複数の酵素の共同作業により多様な細胞外基質成分を最終的にほとんど分解しうる酵素として重要である. プラスミンやプラスミノーゲンアクチベーターに代表されるセリンプロテアーゼは, 細胞外基質に対する活性そのものはMMPよりも弱いが, 潜在型proMMPのうち, プロペプチド配列に感受性部位を持つ酵素に対して活性化因子として働く....
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Veröffentlicht in: | CONNECTIVE TISSUE 1998, Vol.30 (4), p.313-319 |
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1. Verfasser: | |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 細胞外基質を分解面で制御しているのがマトリックスメタロプロテアーゼ(matrix metalloproteinase: MMP)あるいはマトリキシン(Matrixin)と呼ばれる一群の金属プロテアーゼとセリンプロテアーゼに属する酵素群である. 特にMMPは基質特異性の異なる複数の酵素の共同作業により多様な細胞外基質成分を最終的にほとんど分解しうる酵素として重要である. プラスミンやプラスミノーゲンアクチベーターに代表されるセリンプロテアーゼは, 細胞外基質に対する活性そのものはMMPよりも弱いが, 潜在型proMMPのうち, プロペプチド配列に感受性部位を持つ酵素に対して活性化因子として働く. 両方のグループに細胞表層で働く酵素がある. MMPとしては膜型マトリックスメタロプロテアーゼ(membrane-type matrix metalloproteinases: MT-MMPs)があり, セリンプロテアーゼとしてはプラスミノーゲンアクチベーター(urokinase-type plasminogen activator: uPA)がその受容体(uPAR)に結合して働く. uPAシステムに関しては, uPARがインテグリンと会合したり, 細胞外基質成分のビトロネクチンに結合すること, また, その活性が受容体と結合するuPAやuPAインヒビターのPAI-1によって制御されることなどが明らかになりつつある. また, uPAで活性化されるはずのプラスミノーゲンが癌組織でエラスターゼやゼラチナーゼAなど他の酵素で切断されると強力な血管新生阻害活性を持つアンジオスタチンを生成するなど, 新たな展開を見せつつある. 本稿では特にMT-MMPを中心に, 最近の成果をまとめる. |
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ISSN: | 0916-572X |