コラーゲンの運動能について

昨年の本学会で腱コラーゲンのらせんフィラメントモデルを示した. すなわち, 1)トロポコラーゲン分子は側方会合して推定10nm径のフィラメントを形成し, 中心にhollowのない約65nm(D-ピッチ)周期の特殊ならせん(κ-らせんと呼ぶ)になっている. 2)これが側方会合してD-周期の波状のシートを作る. 3)これは上下に重なって表面が波状の板となり, 条件によって角柱, 円柱, 円筒等に変形する. このκ-らせんのリボン状集合体はらせんのピッチが僅かでも変われば全体が回転すると推測される. プラスチックワイヤーの模型で実際にそのような運動が起こる. 原始的生物のコラーゲン器官が筋肉に依存せ...

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Hauptverfasser: 桂暢彦, 小野俊雄, 小早川健
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:昨年の本学会で腱コラーゲンのらせんフィラメントモデルを示した. すなわち, 1)トロポコラーゲン分子は側方会合して推定10nm径のフィラメントを形成し, 中心にhollowのない約65nm(D-ピッチ)周期の特殊ならせん(κ-らせんと呼ぶ)になっている. 2)これが側方会合してD-周期の波状のシートを作る. 3)これは上下に重なって表面が波状の板となり, 条件によって角柱, 円柱, 円筒等に変形する. このκ-らせんのリボン状集合体はらせんのピッチが僅かでも変われば全体が回転すると推測される. プラスチックワイヤーの模型で実際にそのような運動が起こる. 原始的生物のコラーゲン器官が筋肉に依存せず運動することは知られていることである. 方法 錆びない針金として市販されているプラスチックワイヤー(1.2mm径)を所定のらせんとし, 長さ10~15cmのもの10~20本を側方会合して互いに接着し波状のリボンを作った. この線材は加温によって直線に戻る性質を持っている.
ISSN:0916-572X