ディーゼル排ガスに暴露されたラットの肺におけるヒアルロン酸の局在
ラットをはじめ多くの哺乳動物は, 未成熟な肺の構造のまま出生し, 一次中隔の分化による肺胞の形成, 肺胞表面積の増加等の過程をへて, 成熟した動物の肺と基本的に同一の形態になることが知られている1),2). こうした肺の成熟過程においても, 細胞外マトリックスは, 細胞・組織間の相互作用の情報を担い, 組織・器官の形態形成を制御する重要な役割を担っていることが示唆されてきた3). ヒアルロン酸(HA)はコンドロイチン硫酸(CHS)等と共に, 細胞外マトリックスを形成する主要な物質として知られているが, HAと組織の分化・発育との相互関係に関する研究は, 初期発生過程の胚を材料したものが多い....
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Veröffentlicht in: | CONNECTIVE TISSUE 1991, Vol.22 (2), p.71-78 |
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Hauptverfasser: | , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | ラットをはじめ多くの哺乳動物は, 未成熟な肺の構造のまま出生し, 一次中隔の分化による肺胞の形成, 肺胞表面積の増加等の過程をへて, 成熟した動物の肺と基本的に同一の形態になることが知られている1),2). こうした肺の成熟過程においても, 細胞外マトリックスは, 細胞・組織間の相互作用の情報を担い, 組織・器官の形態形成を制御する重要な役割を担っていることが示唆されてきた3). ヒアルロン酸(HA)はコンドロイチン硫酸(CHS)等と共に, 細胞外マトリックスを形成する主要な物質として知られているが, HAと組織の分化・発育との相互関係に関する研究は, 初期発生過程の胚を材料したものが多い. それらによると, HAは細胞外マトリックスを物理的に安定化させ, 細胞のinfiltrationとmigrationを促進する作用を持つことが報告されている4),5). しかし, 従来行われてきた組織におけるHAを検出する方法は, メタクロマジーを利用したものが主であり, ムコ多糖類として一括してその作用を報告しているものが多い. 近年, HA結合タンパクを用いて組織におけるHAの存在部位を特異的に検出する方法が確立され6,7), 組織・器官の形態形成におけるHAの役割をより明確に把握できるようになってきた. |
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ISSN: | 0916-572X |