続発性アミロイドーシスによる腸管穿孔をきたしたRAの1例

症例は60才, 女性. 10年来, 慢性関節リウマチ(RA)にて本院で加療をうけていた. 1986年5月, 関節痛増悪したため本院入院. 入院時, RAはstage IV, class3であり, 頸椎環軸椎亜脱臼, 両手指関節・両足趾関節・両膝関節に変形を認めた. 入院後, 内科的治療に加えて, 右膝人工関節置換術を施行した. なお, 入院時より, 下痢・便秘を繰り返していた. 1987年1月, リハビリ目的に他院転院したところ, 同年2月, 腹膜炎様症状出現, 次いで頻回の水様性下痢および下血が認められ, 同年4月20日突然死した. 剖検にて, 直接死因は頸椎環軸椎脱臼であったが, 全身諸臓...

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Veröffentlicht in:CONNECTIVE TISSUE 1989, Vol.21 (suppl), p.67-67
Hauptverfasser: 稲富敏伸, 香宗我部滋, 坪井紀興, 殿塚典彦, 林徹, 伊藤久雄, 石川由起雄, 鈴木晟幹, 石井壽晴
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例は60才, 女性. 10年来, 慢性関節リウマチ(RA)にて本院で加療をうけていた. 1986年5月, 関節痛増悪したため本院入院. 入院時, RAはstage IV, class3であり, 頸椎環軸椎亜脱臼, 両手指関節・両足趾関節・両膝関節に変形を認めた. 入院後, 内科的治療に加えて, 右膝人工関節置換術を施行した. なお, 入院時より, 下痢・便秘を繰り返していた. 1987年1月, リハビリ目的に他院転院したところ, 同年2月, 腹膜炎様症状出現, 次いで頻回の水様性下痢および下血が認められ, 同年4月20日突然死した. 剖検にて, 直接死因は頸椎環軸椎脱臼であったが, 全身諸臓器の主に血管壁に著明なAmloidの沈着を認め, 横行・下行結腸に潰瘍および穿通が認められた. Amyloid蛋白は過マンガン酸カリウム処理にてAA蛋白と判明し, RAに続発したAmyloidosisによる腸管穿孔と考えられる. 続発性Amyloidosisで本症例のごとく著明なAmyloid沈着・腸管穿孔を認めた例は少なく, ここに報告する.
ISSN:0916-572X