カニクイザルコラーゲン関節炎の病理組織学的検討

[目的]慢性関節リウマチ類似の関節破壊過程を示すカニクイザルにおけるII型コラーゲン関節炎の病態につき病理組織学的検討を行った. [方法]野生種および育成種サル(体重2~3Kg)にニワトリII型コラーゲン1mgをCFAとエマルジョンにして背皮に接種した(Arthritis & Rheum.印刷中). 8~10週後屠殺し手, 足関節をEDTA脱灰後H-E, safranin-0染色により病理組織学的観察を行った. [結果]関節炎初期の関節周辺の変化として骨との境界部に近い滑膜に滑膜細胞の増生, 肥厚を認めた. この時期円形細胞浸潤は認めず, さらに変化が進むとtide markは残存する...

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Veröffentlicht in:CONNECTIVE TISSUE 1989, Vol.21 (suppl), p.34-34
Hauptverfasser: 土田豊実, 山崎正志, 守屋秀繁, 寺戸国昭, 永井裕
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:[目的]慢性関節リウマチ類似の関節破壊過程を示すカニクイザルにおけるII型コラーゲン関節炎の病態につき病理組織学的検討を行った. [方法]野生種および育成種サル(体重2~3Kg)にニワトリII型コラーゲン1mgをCFAとエマルジョンにして背皮に接種した(Arthritis & Rheum.印刷中). 8~10週後屠殺し手, 足関節をEDTA脱灰後H-E, safranin-0染色により病理組織学的観察を行った. [結果]関節炎初期の関節周辺の変化として骨との境界部に近い滑膜に滑膜細胞の増生, 肥厚を認めた. この時期円形細胞浸潤は認めず, さらに変化が進むとtide markは残存するが軟骨は減少し, safranin-0に染色されず軟骨変性が認められた. また骨と滑膜との接合領域に肉芽の侵入が, 一部に形質細胞, 好中球浸潤が認められた. さらに関節軟骨表面に槍膜細胞と好中球のdebrisが付着し, 一部軟骨内に浸潤していた. 以上, 関節破壊の過程は軟骨表層からの浸潤と, 軟骨下骨への滑膜よりの浸潤の二通りが考えられる.
ISSN:0916-572X