歯肉上皮マーカーと血液型物質およびケラチン蛋白との関連性

目的と方法:カニクイザイ歯肉上皮を抗原としてモノクローナル抗体の作製を行い, 歯肉上皮の細胞膜(M3)と細胞質(M9)を認識する抗体を分離したので, これらの上皮マーカーとABO血液型物質あるいはサイトケラチンとの関連性を間接ペルオキシダーセ法により免疫組織化学的に検討した. 結果と考察:M3は, A, B, AB, Oの血液型のヒト歯肉(n=50), サル歯肉(n=9)全例において上皮のsuprabasal layerの細胞膜と反応した. ABH血液型物質は血液型と一致した歯肉とのみ陽性で, ヒトでは上皮と毛細血管, サルでは上皮のみであった. M9は動物種を越えて広く分布し歯肉では上皮全層...

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Veröffentlicht in:CONNECTIVE TISSUE 1988, Vol.20 (suppl), p.79-79
Hauptverfasser: 魚部健市, 和唐雅博, 西田健, 筒井政弘, 岡本一起子, 高須淳, 堀晋作
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:目的と方法:カニクイザイ歯肉上皮を抗原としてモノクローナル抗体の作製を行い, 歯肉上皮の細胞膜(M3)と細胞質(M9)を認識する抗体を分離したので, これらの上皮マーカーとABO血液型物質あるいはサイトケラチンとの関連性を間接ペルオキシダーセ法により免疫組織化学的に検討した. 結果と考察:M3は, A, B, AB, Oの血液型のヒト歯肉(n=50), サル歯肉(n=9)全例において上皮のsuprabasal layerの細胞膜と反応した. ABH血液型物質は血液型と一致した歯肉とのみ陽性で, ヒトでは上皮と毛細血管, サルでは上皮のみであった. M9は動物種を越えて広く分布し歯肉では上皮全層, その他の口腔粘膜や皮膚では基底細胞に局在していた. 過ヨウ素処理, 蛋白加水分解酵素, dot blottingの考察からM3は血液型物質とは異なる糖蛋白を認識, エピトープは糖であること, M9は検討したケラチン(40~68K)とは異なるケラチン様蛋白であることが判明した.
ISSN:0916-572X