子宮内膜の形態変化とファイブロネクチンの消長に関する研究

〔目的〕着床に伴う子宮内膜の脱落膜変化はその形態変化の著明さに於いて特記すべき現象であります. しかし, その細胞接着及び組織構築に関しては未だ未知の部分が多い. 今回我々は細胞骨格であるファイブロネクチンがその構築に関与しているのではないかと考え存在及び局在に関し研究した. 〔方法〕増殖期, 分泌期, 流産, 人工妊娠中絶の子宮内膜を採取しPAP法にて染色し脱落膜変化とファイブロネクチンの存在を観察した. 〔結果〕分泌期には胞体が次第に膨化しファイブロネクチンがわずかに認められる. 着床後妊娠が順調に経過したと考えられる人工妊娠中絶では52例中44例85%にファイブロネクチンの局在を細胞間隙...

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Veröffentlicht in:CONNECTIVE TISSUE 1988, Vol.20 (suppl), p.70-70
Hauptverfasser: 長崎淳一, 森定優, 飯塚理八, 山口寿夫
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:〔目的〕着床に伴う子宮内膜の脱落膜変化はその形態変化の著明さに於いて特記すべき現象であります. しかし, その細胞接着及び組織構築に関しては未だ未知の部分が多い. 今回我々は細胞骨格であるファイブロネクチンがその構築に関与しているのではないかと考え存在及び局在に関し研究した. 〔方法〕増殖期, 分泌期, 流産, 人工妊娠中絶の子宮内膜を採取しPAP法にて染色し脱落膜変化とファイブロネクチンの存在を観察した. 〔結果〕分泌期には胞体が次第に膨化しファイブロネクチンがわずかに認められる. 着床後妊娠が順調に経過したと考えられる人工妊娠中絶では52例中44例85%にファイブロネクチンの局在を細胞間隙に認めたが, 流産例では33例中12例に36%しか認めなかった. 特に進行流産に於いては6例とも認め得なかった. 以上より脱落膜の構築維持にファイブロネクチンが深く関与していると考える.
ISSN:0916-572X