原発性肝癌におけるTAE療法前後でのprocollagen type III peptideの変動及びゲルろ過分画パターンの検討

Procollagen type III peptide N末端(P III P)は, 肝疾患, 悪性腫瘍等で高値を示すが, 現在用いられているRIA法による測定系では, 体液中のP III Pには分子多様性が存在することが知られている1). 今回, 原発性肝癌をはじめとする各種肝疾患のP III P値を測定し, さらに肝動脈塞栓療法(TAE)施行原発性肝癌10例を対象とし, TAE前後での血清P III P値の変動及びゲルろ過法による分画パターンの変化について検討した. 〔対象及び方法〕肝硬変:18例, 肝細胞癌合併肝硬変:19例, 慢性活動性肝炎:10例, 慢性非活動性肝炎:10例, 急性...

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Veröffentlicht in:結合組織 1987, Vol.19 (3), p.200-201
Hauptverfasser: 松田博人, 竹田康男, 上野敏男, 竹田亮祐
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:Procollagen type III peptide N末端(P III P)は, 肝疾患, 悪性腫瘍等で高値を示すが, 現在用いられているRIA法による測定系では, 体液中のP III Pには分子多様性が存在することが知られている1). 今回, 原発性肝癌をはじめとする各種肝疾患のP III P値を測定し, さらに肝動脈塞栓療法(TAE)施行原発性肝癌10例を対象とし, TAE前後での血清P III P値の変動及びゲルろ過法による分画パターンの変化について検討した. 〔対象及び方法〕肝硬変:18例, 肝細胞癌合併肝硬変:19例, 慢性活動性肝炎:10例, 慢性非活動性肝炎:10例, 急性肝炎:11例, 原発性胆汁性肝硬変:3例, 脂肪肝:3例を対象とし, 健常対象群は, 末梢血液及び生化学検査にて異常の認められない16例とした. さらにTAEを施行した原発性肝癌10例を対象とし, TAE施行前, 1日, 3日, 1週, 2週, 4週後の血清P III P値を測定し, TAE前及び4週後の血清をゲルろ過した. 血清P III P値は, Rohdeらの方法に従いHoechst社製RIA kitにて定量し2), Sephacryl S-300カラムにてゲルろ過した.
ISSN:0916-572X