Amyloidosis cutis nodularis atrophicansの皮疹からのアミロイド線維の抽出と分析

アミロイド線維の生化学的構造については, 全身性のアミロイドーシスの場合とは異なって皮膚アミロイドーシスでは明らかではない. これは皮膚での沈着アミロイド物質が微少であるために, 抽出精製が困難であることに起因している. 今回, 我々はamyloidosis cutis nodularis atrcphicans(ACNA)の一症例の皮疹部からアミロイド線維を抽出精製し, 若干の生化学的分析を行った. 〔材料と方法〕症例:ACNAとSjogren症候群の併発と診断された63歳女性1). アミロイド線維の抽出法:原則的にPrasとGlenner2)の方法に従った. 皮疹部小結節の5.5g(湿重量...

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Veröffentlicht in:結合組織 1986, Vol.17 (4), p.354-355
Hauptverfasser: 北島康雄, 瀬野寿理, 多田茂, 矢尾板英夫
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:アミロイド線維の生化学的構造については, 全身性のアミロイドーシスの場合とは異なって皮膚アミロイドーシスでは明らかではない. これは皮膚での沈着アミロイド物質が微少であるために, 抽出精製が困難であることに起因している. 今回, 我々はamyloidosis cutis nodularis atrcphicans(ACNA)の一症例の皮疹部からアミロイド線維を抽出精製し, 若干の生化学的分析を行った. 〔材料と方法〕症例:ACNAとSjogren症候群の併発と診断された63歳女性1). アミロイド線維の抽出法:原則的にPrasとGlenner2)の方法に従った. 皮疹部小結節の5.5g(湿重量)を細切し, 110mlの0.15M NaClを加え, 乳鉢, ポッターのホモゲナイザーで0℃下でホモゲナイズした. ついで, 超音波処理10秒ほど行い, 12,000×g, 30分, 4℃で遠心分離した. この上清の, 280nmにおける吸光度が0.05以下になるまで, この操作を繰り返し, 生理食塩水に可溶性の蛋白を除去した. ついで, 上記の沈渣に110mlの蒸留水を:加え, 前述と同様のホモゲナイズと遠心分離を繰り返し, 上清を回収した. 2回目から5回目までの遠心分離の上清を回収し, 凍結乾燥した(水抽出画分). アミロイド細線維蛋白の可溶化:上記凍結乾燥標品は難溶性であったので, この試料, 59mgに5.9mlの6M塩酸グアニジン-10.5mmolDTT-0.1Mトリス塩酸, pH8.0を加え, 室温で一晩撹拌した後, 2M塩酸グアニジン-1N酢酸を加えて, 5M塩酸グアニジン溶液になるように稀釈した. ゲルクロマトグラフィー:上記溶液を25,000×g 30分遠心分離し, その上清をSephadex G-100 1.5×90cm, 5M塩酸グアニジン-1N酢酸で5ml/hr, 2.5ml/tubeの条件下でゲルクロマトグラフィーを行った. SDS-ポリアクリルアミド電気泳動:12.5%ポリアクリルアミド(0.07%SDS, 0.15%ビス-アクリルアミド)を用いた. 常法に従って, 抗λモノクロナール抗体によるインミュノブロット法も行った.
ISSN:0916-572X