リウマチ性多発筋痛症5例の検討

リウマチ性多発筋痛症(poly-myalgia rheumatica:PMR)は50歳以上の年齢で, 肩甲帯・骨盤帯の筋痛とこわばりを特徴とし, 血沈は50mm/h以上で, ステロイド剤に劇的に反応する症候群である1, 2). これまで, Caucacianに多く, 黒人には少ないといわれ, 日本でも近年関心が持たれるようになったが報告例はきわめて少ない. 今回PMR 5例を経験したので報告する. 〔症例〕第一例は56歳女性. 1974年1月頸部の疼痛, その後両側大腿部にも痛みが出現し, RAとして一年間治療を受けたが改善せず, 肩甲帯の筋痛も加わり来院した. 初診時の検査ではESR 108...

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Veröffentlicht in:結合組織 1986, Vol.17 (4), p.284-285
Hauptverfasser: 松尾寛, 永井真弓, 橋本喬
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:リウマチ性多発筋痛症(poly-myalgia rheumatica:PMR)は50歳以上の年齢で, 肩甲帯・骨盤帯の筋痛とこわばりを特徴とし, 血沈は50mm/h以上で, ステロイド剤に劇的に反応する症候群である1, 2). これまで, Caucacianに多く, 黒人には少ないといわれ, 日本でも近年関心が持たれるようになったが報告例はきわめて少ない. 今回PMR 5例を経験したので報告する. 〔症例〕第一例は56歳女性. 1974年1月頸部の疼痛, その後両側大腿部にも痛みが出現し, RAとして一年間治療を受けたが改善せず, 肩甲帯の筋痛も加わり来院した. 初診時の検査ではESR 108mm/h, CRP 1+, RA test-で低色素性正球性貧血があった. 血液生化学では異常はなかった. 第二例は62歳男性, 1982年7月右肩関節痛と微熱が続き, 近医に受診した. Prednisolone 10mg/dayの投与を受け改善されたが, 両肩と背部に痛みが生じ, 大腿部にも疼痛と脱力感が加わり, 38℃台の弛脹熱もあって来院した. 初診時の検査ではESR 60mm/h, CRP 4+, RA test-, 血液生化学では軽度の肝障害が認められた. 第三例は83歳女性. 1977年8月4日~12月23日まで肝硬変と腹水のため入院加療した. 1979年9月より全身倦怠感と両大腿部に痛みがあり, その後両上腕部にも疼痛が出現し, 腰痛と両手のこわばり感も加わり来院した. 初診時の検査ではESR 127mm/h, CRP 4+, RA test-, 正色素性正球性貧血があった. 血液生化学ではT-p 6.0g/dl以外は異常はなかった.
ISSN:0916-572X