結合組織におけるIgGおよびICの存在様式に関する免疫病理学的研究

われわれは, 異種血清抗原によるhyperimmune状態における実験的アレルギー性動脈炎において, 感作後産生された特異抗体が血中のみならず動脈周囲結合組織にも強く分布しており, これが惹起後のantigen trappingを引き起こすこと, その結果, 動脈壁はICにより内膜側, 外膜側の双方から同時に障害を受け汎動脈炎に至ることを主張してきた1). 感作後の動脈周囲におけるIgGの存在様式に関しては, これが膠原線維表面上に顆粒状に分布しており, またコラーゲンと結合性を有する糖タンパクであるfibronectin(FN)の分布とも密接に関連して消長すること, 及び惹起注射後, ここに...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:結合組織 1986, Vol.17 (4), p.270-271
Hauptverfasser: 西川純子, 足羽紀子, 渡辺洋望, 大高裕一
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:われわれは, 異種血清抗原によるhyperimmune状態における実験的アレルギー性動脈炎において, 感作後産生された特異抗体が血中のみならず動脈周囲結合組織にも強く分布しており, これが惹起後のantigen trappingを引き起こすこと, その結果, 動脈壁はICにより内膜側, 外膜側の双方から同時に障害を受け汎動脈炎に至ることを主張してきた1). 感作後の動脈周囲におけるIgGの存在様式に関しては, これが膠原線維表面上に顆粒状に分布しており, またコラーゲンと結合性を有する糖タンパクであるfibronectin(FN)の分布とも密接に関連して消長すること, 及び惹起注射後, ここに到達した抗原は膠原線維に沿って粗大顆粒状に分布することを昨年の本学会で報告した. 今回は, コラーゲンと類似構造をもち, FNと結合性を有することが知られているC1q2)がIgGとFNの間の介在物質として存在する可能性につき検討した.
ISSN:0916-572X