Dermatomyositisにおける石灰化顆粒中のタンパク質について

正常の石灰化結合組織である骨, 象牙質, エナメル質の形成の生化学的機構を知るために, 我々は主にその有機質マトリックスの構造から研究を進めてきたが, 一方, 病的ないわゆる異所石灰化の成立機構も, これらの問題解決に役立つと同時に, 臨床的にも重要な課題と思われる. 我々はこれまでに, 唾石, 歯石などの歯科領域の異所石灰化物の他, 静脈石, 尿石などのミネラルと有機質を分析し, その特徴を調べてきた. 今回, 東大整形外科を訪れ, dermatomyositisと診断された患者の皮下及び筋肉内から, 極めて結晶性の高いhydroxyapatiteを含む特異な粒子を検出したので, その分析結...

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Veröffentlicht in:結合組織 1985, Vol.16 (3), p.176-177
Hauptverfasser: 久保木芳徳, 津崎まり, 佐々木哲, 谷口和彦, 桧垣昇三
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:正常の石灰化結合組織である骨, 象牙質, エナメル質の形成の生化学的機構を知るために, 我々は主にその有機質マトリックスの構造から研究を進めてきたが, 一方, 病的ないわゆる異所石灰化の成立機構も, これらの問題解決に役立つと同時に, 臨床的にも重要な課題と思われる. 我々はこれまでに, 唾石, 歯石などの歯科領域の異所石灰化物の他, 静脈石, 尿石などのミネラルと有機質を分析し, その特徴を調べてきた. 今回, 東大整形外科を訪れ, dermatomyositisと診断された患者の皮下及び筋肉内から, 極めて結晶性の高いhydroxyapatiteを含む特異な粒子を検出したので, その分析結果を報告する. 〔症例〕患者は44歳女性, dermatomyositisと診断され治療中, 右肩甲部に腫瘤を触れ, この部位より嚢胞が摘出された. 嚢胞の内容物は, 石灰化粉末を含む多数の粒子から成っていた. ミネラルの分析では, 石灰化粒子のX線回折パターンはエナメル質のそれと酷似しており, さらに, 走査型電顕像には, 巨大なhydroxyapatite結晶がみられた. 主な構成元素はCaとPで, その比は1.8であり, hydroxyapatiteの理論比よりもややCa高値であった.
ISSN:0916-572X