回旋筋腱板の石灰化について
回旋筋腱板の石灰化は, 腱の退行性変化に伴って発現し, 石灰化物が肩峰下包内あるいは肩関節腔内に遊離すると, 結晶誘発性滑膜炎を発症せしめると考えられている. しかし, 石灰化の病態は, なお明らかでない. 我々は, 昨年回旋筋腱板の石灰化物の微細構造と成分同定について発表したが, 今回は腱の退行変性の病態について検索した. 9解剖体18肩における回旋筋腱板と周囲組織を摘出し, 殊に棘上筋の縦断面における肉眼的, 光顕的観察を行った. 光顕標本は, H-E, von Kossa, M-Trichrome染色を施した. 一部標本は, 走査電顕による検鏡を加えた. 回旋筋腱板殊に棘上筋腱は, 筋腱...
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Veröffentlicht in: | 結合組織 1983, Vol.14 (3), p.208-209 |
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Hauptverfasser: | , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 回旋筋腱板の石灰化は, 腱の退行性変化に伴って発現し, 石灰化物が肩峰下包内あるいは肩関節腔内に遊離すると, 結晶誘発性滑膜炎を発症せしめると考えられている. しかし, 石灰化の病態は, なお明らかでない. 我々は, 昨年回旋筋腱板の石灰化物の微細構造と成分同定について発表したが, 今回は腱の退行変性の病態について検索した. 9解剖体18肩における回旋筋腱板と周囲組織を摘出し, 殊に棘上筋の縦断面における肉眼的, 光顕的観察を行った. 光顕標本は, H-E, von Kossa, M-Trichrome染色を施した. 一部標本は, 走査電顕による検鏡を加えた. 回旋筋腱板殊に棘上筋腱は, 筋腱移行部から骨附着部まで2~3cmと長く, 上面は肩峰下包に下面は肩関節腔に面し, 一見して血行に乏しいことが分る. また, 骨附着部における境界は, ほとんどの例で不鮮明である(Fig. 1). |
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ISSN: | 0916-572X |