Lupus erythematosus profundusにみられた巨大石灰化巣の電顕的検討

われわれは, 先に44才, 女子の巨大石灰化巣を伴ったlupus erythematosus profundusの1例について臨床的ならびに組織学的検索を主にして報告した1). 今回は, 本例に認められた病理組織学的変化のうち, 石灰沈着に注目して電顕的に検討したので報告する. 〔対象および方法〕対象は44才, 女子の前額部の指頭大の赤褐色, 不整形, 陥凹性局面より採取した生検組織を, 1.25%グルタールアルデヒド1%オスミック酸, ついで0.3%タンニン酸にて三重固定し, 型のごとく包埋後作製した超薄切片を酢酸ウラニル・硝酸鉛にて重染色後, 透過型電顕(JEM 100B)にて観察した....

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Veröffentlicht in:結合組織 1983, Vol.14 (3), p.206-207
Hauptverfasser: 麻上千鳥, 浪花志郎, 藤田英輔
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:われわれは, 先に44才, 女子の巨大石灰化巣を伴ったlupus erythematosus profundusの1例について臨床的ならびに組織学的検索を主にして報告した1). 今回は, 本例に認められた病理組織学的変化のうち, 石灰沈着に注目して電顕的に検討したので報告する. 〔対象および方法〕対象は44才, 女子の前額部の指頭大の赤褐色, 不整形, 陥凹性局面より採取した生検組織を, 1.25%グルタールアルデヒド1%オスミック酸, ついで0.3%タンニン酸にて三重固定し, 型のごとく包埋後作製した超薄切片を酢酸ウラニル・硝酸鉛にて重染色後, 透過型電顕(JEM 100B)にて観察した. 〔結果〕真皮中層から皮膚脂肪織にかけての膠原線維および弾性線維さらに脂肪織の葉間結合織に関して以下のような各変性像および石灰化像がみられた. 石灰化像を示す高電子密度な粒子状構造物および均一無構造物質の沈着は, 正常の膠原細線維上および細線維間基質(Fig. 1), および横紋構造の消失した膠原細線維上およびその周囲基質にみられた. 同様の石灰化像は, 正常の弾性線維間基質および変性した弾性線維内やその基質中にもみられた. また細胞外基質中のその他の部にも同様に2種の構造を呈する物質の各斑状巣が認められたが, 均一無構造物質の沈着部において膜性小胞構造は認められなかった.
ISSN:0916-572X