尿中ムコ多糖の簡易迅速半定量法
遺伝性ムコ多糖症(MPS症)はムコ多糖(MPS)に関する種々の分解酵素の欠損により, MPSの臓器への蓄積と尿中排泄がみられる疾患である. 従って本症のscreeningとして, 尿中MPSの検査が多くの医療機関で施行されているが, その信頼度, 簡易性は検査法によりまちまちで, 現在のところ確立された方法はない. そこで今回演者らは比較的信頼度が高いと考えられるMPS papers spot test(Spot法)1)で尿中ウロン酸(UA)の半定量をし, 電気泳動に必要な尿量を決め, Cappellettiらの一次元電気泳動法2)に基づき, Hopwoodらの改良法3)による尿中MPSの半定...
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Veröffentlicht in: | 結合組織 1983, Vol.14 (3), p.172-173 |
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Hauptverfasser: | , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 遺伝性ムコ多糖症(MPS症)はムコ多糖(MPS)に関する種々の分解酵素の欠損により, MPSの臓器への蓄積と尿中排泄がみられる疾患である. 従って本症のscreeningとして, 尿中MPSの検査が多くの医療機関で施行されているが, その信頼度, 簡易性は検査法によりまちまちで, 現在のところ確立された方法はない. そこで今回演者らは比較的信頼度が高いと考えられるMPS papers spot test(Spot法)1)で尿中ウロン酸(UA)の半定量をし, 電気泳動に必要な尿量を決め, Cappellettiらの一次元電気泳動法2)に基づき, Hopwoodらの改良法3)による尿中MPSの半定量を行った. これにより正常およびMPS症の各亜型の予測が可能となったのでその方法と結果を報告した. 〔材料および方法〕0~30才までの正常対照74例およびMPS症42例の尿を材料とした. 1. Spot法:色素としてazure Aを含ませてあるMPS paper上に尿を1滴落し, 3分間放置後, 10分間洗浄脱色したのち判定した. Hunter症候群・Sanmippo症候群の尿中UA濃度を変えて検量Spot表を作成し, それにより半定量を行った. 次の電気泳動に必要な尿量をこの半定量により決定し, UAが約39~100μg(2~7mlの尿)になるようにした. 2. 一次元電気泳動法:Hopwoodらの方法にて尿中MPSを分解し, Cappellettiらの方法により一次元電気泳動を行った. |
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ISSN: | 0916-572X |