先天性股関節脱臼における軟部組織コラーゲンの生化学的検討

先天性股関節脱臼(以下先天股脱)の発症には遺伝的素因と胎内および出生後の環境が関与していると考えられている. 今回遺伝的素因の関わりを知るための一手段として円靱帯および関節包のコラーゲンを分析して若干の知見を得たので報告する. 〔材料および方法〕1歳3ヶ月から8歳11ヶ月の男児1例, 女児13例から手術時採取した円靱帯, 関節包を用いた(Fig. 1). 対照として剖検より得た10ヵ月男児の円靱帯, 関節包と, 手術時採取した80歳女性の円靱帯を用いた. 採取した材料は-80℃で保存し, その後の処理は4℃で行った. コラーゲンの抽出はFig. 2の方法で行った. Starting mater...

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Veröffentlicht in:結合組織 1983, Vol.14 (3), p.118-119
Hauptverfasser: 織田弘美, 五十嵐三都男, 林泰史, 軽部俊二, 井上茂, 坂口亮, 君塚葵
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:先天性股関節脱臼(以下先天股脱)の発症には遺伝的素因と胎内および出生後の環境が関与していると考えられている. 今回遺伝的素因の関わりを知るための一手段として円靱帯および関節包のコラーゲンを分析して若干の知見を得たので報告する. 〔材料および方法〕1歳3ヶ月から8歳11ヶ月の男児1例, 女児13例から手術時採取した円靱帯, 関節包を用いた(Fig. 1). 対照として剖検より得た10ヵ月男児の円靱帯, 関節包と, 手術時採取した80歳女性の円靱帯を用いた. 採取した材料は-80℃で保存し, その後の処理は4℃で行った. コラーゲンの抽出はFig. 2の方法で行った. Starting material, supernatant, residueについてウェスナーの方法でhydroxyproline量を測定し, コラーゲン量を求めた. コラーゲンの型はペプシン可溶性コラーゲンをレムリの系を用いたSDSスラブポリアクリルアミドゲル電気泳動法(以下SDS-PAGE)で分析し, III型の分離にはサイクスの方法を用いた. 可溶性コラーゲン, 不溶性残渣をCNBr分解してSDS-PAGEを行い, 各コラーゲンに特徴的なバンドによって含まれるコラーゲンの型を求めた. 定量には島津クロマトスキャナCS910を使用した.
ISSN:0916-572X