胎児Hurler症候群の一症例

Hurler症候群はα-L-iduronidaseの欠損により種々の臓器にデルマタン硫酸とヘパラン硫酸が蓄積する致死的な疾患である. 現在, 有効な治療法がなく胎児診断により人工中絶するのが唯一の方法である. 今回, 演者等は第1子, 第2子いずれもHurler症候群で死亡している両親の第3回目の妊娠時に18週で羊水小穿刺を施行し, Hurler症候群の胎児例と診断し, さらに, その中絶児の肝, 脳における酸性ムコ多糖の分析を試みたので報告する. 〔方法〕MPSの分離は, Brunngraber等の方法を一部改変して行った. Dowex 1-X2カラムでNaCl濃度, 0M, 0.25M,...

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Veröffentlicht in:結合組織 1982, Vol.13 (4), p.299-300
Hauptverfasser: 池野知康, 津川敏, 我妻浩治, 南良二, 中尾亨, 谷口繁
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:Hurler症候群はα-L-iduronidaseの欠損により種々の臓器にデルマタン硫酸とヘパラン硫酸が蓄積する致死的な疾患である. 現在, 有効な治療法がなく胎児診断により人工中絶するのが唯一の方法である. 今回, 演者等は第1子, 第2子いずれもHurler症候群で死亡している両親の第3回目の妊娠時に18週で羊水小穿刺を施行し, Hurler症候群の胎児例と診断し, さらに, その中絶児の肝, 脳における酸性ムコ多糖の分析を試みたので報告する. 〔方法〕MPSの分離は, Brunngraber等の方法を一部改変して行った. Dowex 1-X2カラムでNaCl濃度, 0M, 0.25M, 4.0Mで溶出し, Sephadex G25カラムで脱塩した. 0M, 0.25M画分は電気泳動でムコ多糖を認めなかった. ムコ多糖画分である4.0M画分はSephadex G200, chondroitinase ABC, AC, hyaluronidaseによる酵素分解や高速液体クロマトグラフィーにより分析した.
ISSN:0916-572X