骨と象牙質コラーゲン架橋結合の分布の比較
コラーゲン線維がその生理的機能を発揮するためには架橋結合の導入が必要である. 現在9種類の架橋結合の構造が確認されているが, いずれがどの程度, 線維のどこに分布しているかは, 動物の組織, 年令などによって異なっている. また, 還元性架橋の一部(dihydroxylysinonorleucineなど)は, 現在未確認の非還元性架橋へ代謝されるための中間産物であると推測されている. このように, 現在のところ架橋結合における構造と機能の関連, そして代謝の面は具体的には明らかにされていない. 我々はこれらの問題解決のアプローチとして, コラーゲンの架橋結合の線維内位置を系統的に明らかにするこ...
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Veröffentlicht in: | 結合組織 1982, Vol.13 (4), p.192-193 |
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Hauptverfasser: | , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | コラーゲン線維がその生理的機能を発揮するためには架橋結合の導入が必要である. 現在9種類の架橋結合の構造が確認されているが, いずれがどの程度, 線維のどこに分布しているかは, 動物の組織, 年令などによって異なっている. また, 還元性架橋の一部(dihydroxylysinonorleucineなど)は, 現在未確認の非還元性架橋へ代謝されるための中間産物であると推測されている. このように, 現在のところ架橋結合における構造と機能の関連, そして代謝の面は具体的には明らかにされていない. 我々はこれらの問題解決のアプローチとして, コラーゲンの架橋結合の線維内位置を系統的に明らかにすることが出来るならば, 現在未確認の架橋結合も含めて, その数, 代謝過程が明らかにされるものと考えた. 研究材料として, 骨と象牙質のコラーゲンはI型のみから成り, 還元性架橋成分はdihydroxylysinonorleucine(DHLNL)とhydroxylysinonorleucine(HLNL)がほとんどという単純なパターンを示し, さらに強い難溶性を示すことから架橋結合は量的に多いと考えられるので好個とされてきた1). しかしこれら不溶性コラーゲンを特異的に溶解する手段は, 従来CNBr処理しかなく, CNBr消化物から架橋ペブチドを単離するのは, その不完全開裂物の混在などのため, きわめて困難であり1例を除いては成功していなかった. |
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ISSN: | 0916-572X |