脂肪組織における“膜嚢胞変性”(那須)の病理学的研究

Membranous lipodystrophy(MLD)では脊髄および全身の脂肪組織に“膜嚢胞性病変”が見出されるのが特徴とされている. 本疾患は1970年に疾患概念が確立されて以来, すでに40数例が発見されているが, その本態はなお不明である. その後我々はこの奇妙な唐草模様を呈する膜嚢胞性病変が本疾患以外でもみられることを明らかにし, 那須はこれを脂肪組織の膜嚢胞変性と呼んだ. 膜嚢胞変性の発生病理を明らかにすることはMLDを解明するために重要である. そこで我々の教室の11年間にわたる1,000剖検例の全身脂肪組織(骨髄, 副腎周囲, 膵周囲, 腎孟周囲, 胃周囲, 心外膜, 乳房)...

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Veröffentlicht in:結合組織 1980, Vol.11 (4), p.178-178
Hauptverfasser: 藤原正之, 菅沼龍夫, 那須毅
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:Membranous lipodystrophy(MLD)では脊髄および全身の脂肪組織に“膜嚢胞性病変”が見出されるのが特徴とされている. 本疾患は1970年に疾患概念が確立されて以来, すでに40数例が発見されているが, その本態はなお不明である. その後我々はこの奇妙な唐草模様を呈する膜嚢胞性病変が本疾患以外でもみられることを明らかにし, 那須はこれを脂肪組織の膜嚢胞変性と呼んだ. 膜嚢胞変性の発生病理を明らかにすることはMLDを解明するために重要である. そこで我々の教室の11年間にわたる1,000剖検例の全身脂肪組織(骨髄, 副腎周囲, 膵周囲, 腎孟周囲, 胃周囲, 心外膜, 乳房)および手術的に切除された胃, 胆嚢, 虫垂, 乳房各50例の脂肪組織について光顕的検索を行い, 膜嚢胞変性を有する症例を蒐集し, 統計的に観察した.
ISSN:0916-572X