肺高血圧症を合併した全身性エリテマトーデス

全身性エリテマトーデスは多彩な臨床症状を呈するが, 高度の肺高血圧症を合併する症例が少数ながら存在する. われわれはこのような剖検例3例を検討する機会を得たが, 肺動脈系に興味ある共通する病変の存在することを見出した. これらの症例は全例女性で, 多発性関節痛, Raynaud現象, 抗核因子陽性で, 3例中2例でLE細胞陽性であった. 腎症は全く欠如するものから中等度までで, 高度のものはだかった. 全経過は5年から8年で全例右心不全で死亡した. 剖検によりいずれの症例にも右室肥大, 脾のonion skin lesion, 種々の程度のループス腎炎が認められ, 症例1においては三尖弁の急性...

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Veröffentlicht in:結合組織 1980, Vol.11 (4), p.168-168
Hauptverfasser: 細田泰弘, 石井寿晴, 鏑木淳一
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:全身性エリテマトーデスは多彩な臨床症状を呈するが, 高度の肺高血圧症を合併する症例が少数ながら存在する. われわれはこのような剖検例3例を検討する機会を得たが, 肺動脈系に興味ある共通する病変の存在することを見出した. これらの症例は全例女性で, 多発性関節痛, Raynaud現象, 抗核因子陽性で, 3例中2例でLE細胞陽性であった. 腎症は全く欠如するものから中等度までで, 高度のものはだかった. 全経過は5年から8年で全例右心不全で死亡した. 剖検によりいずれの症例にも右室肥大, 脾のonion skin lesion, 種々の程度のループス腎炎が認められ, 症例1においては三尖弁の急性心内膜炎, 症例3においては肝の多発性結節性過形成(960g), 食道静脈瘤が見出された.
ISSN:0916-572X